カッコイイだけじゃない“憧れの世界観”を提供したい…パーツメーカー DAMD 35年目の変化と挑戦

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株式会社DAMD 面高翔五 代表取締役
株式会社DAMD 面高翔五 代表取締役 全 41 枚 拡大写真

1982年2月の創業以来、自動車関連のエアロパーツなどカスタムパーツを手がけてきた株式会社ダムド(神奈川県大和市)。2017年で創業35周年を迎え、自動車メーカーとの取り組みやハリウッド映画からの協力依頼など国内外から評価される同社のパーツデザインについて、新代表取締役となった面高翔五氏に聞いた。(高ははしごだか)。

ダムドがパーツにかける想い

---:35年間続くダムドのパーツデザインの特徴とはなんだと思われますか?

面高翔五氏(以下面高、敬称略):”投影”と”化身”かなと思います。世の中の人がその時代に憧れるモノやライフスタイルを切り取りながら、それをパーツのデザインに落とし込む。音楽や映画・ファッションに代表されるようなその時代の文化をモチーフに、それをクルマで表現しています。ダムドでは車種もカスタムのテイストもひとつのことに特化することはしていません。いろいろなことに毎年チャレンジしているので、オートサロン等の展示会に出ていると「ダムドって分からなかったよ」と言われたこともありました。(笑)

それって特徴がないのでは?と言われるかもしれないのですが、逆に気付かれないくらい180度イメージと違うことやってるって面白くないですか?そうやって変わり続けてきたこと、挑戦してきたことが、35年ダムドが続いてきた理由だとも思います。

---:パーツデザインをする上で、どんな点にこだわっているのでしょうか?

面高:スタッフみんなで共有出来ているのは、表現の分かりやすさとその車種に馴染んでいるかどうかを意識してる点だと思います。エクステリアパーツとして求められる声が多い、デイタイムランプの搭載や塗装色の塗り分け、ダクトといった要素をたくさん盛り込み過ぎて、ベースとなる車のボディラインやキャラクターそのものを打ち消すことがあってはならないと思うんです。それはそのクルマを否定することと同義な気がしてしまって…。あくまでベース車両として選ぶのは、そのクルマのコンセプトに賛同してるからなので。

例えば今回展示しているLFT-86では、レクサスLFAをモチーフとしたパーツになっていますが、面構成や曲率はLFAのまま落とし込むのではなく、86のキャラクターラインにマッチするようデフォルメを行いモデリングしています。ロードスターもプレミアムスポーツパッケージみたいなオプション設定としてこのまま販売しても遜色無いような、オリジナルデザインの延長線上に位置するイメージでデザインしています。

LFT-86LFT-86

カスタムパーツの存在意義は、ベース車へのリスペクトを持って、そこにデザインの多様性や機能という価値を提供することだと思います。パーツを纏ったクルマをパッと見て、示すテーマがすぐに理解出来る。乗っている情景が浮かぶ。そういった分かりやすさが大事かなと感じています。

---:その肝となるパーツデザインはどのような工程で決まっていくのでしょうか。

面高:どんな表現をするかそのテーマ選びから入りますが、ダムドではデザイナーが1人でテーマを決めることはありません。ベース車のコンセプトやユーザー層・クルマのキャラクターを考え、スタッフ全員でどう表現をしたら受け入れてもらえるのか?溶け込めるのか?あらゆる角度の価値観を通して、アイディアを検証し最適なテーマを探って行きます。互いにぶつかり合う時もあるのですが、不思議とスタッフ全員の中に「これだ!」っていうテーマがあるもので、決まる時はビシッと道が開ける感覚があります。

ROADSTER_DARK_KNIGHT

ROADSTER_DARK_KNIGHTROADSTER_DARK_KNIGHT

そこから設計段階に入りますが、これも立派なデザイン業務でパーツメーカーとしての真価が問われる重要な業務でもあります。どんなにデザインスケッチが良くてもバンパーを外してみたら、こんな凹面取れないじゃん!とかなったりします。(笑)

安心して取り付けが出来なければ価値がないので、型作りの工程や製品の強度といった品質も保てる形状を意識しながら、設計とデザインを行ったり来たりしていますね。

イマの若者の気持ちには共感…そんな自分ができること

---:会社を引き継がれて、カスタム文化の状況は以前と大きく異なっているかと思います。クルマ離れも叫ばれて久しい現在、今後のダムドはどのようなポジションを目指しているのでしょうか。

面高:若い方でもクルマをカッコいいと思ったり、欲しいと思ったりしている人はいると思うんです。でも、実際無理して「買う」というステップに至るまでの情熱はない。僕も同じ環境の中にいたのでその温度感を理解出来ます。子供の頃からクルマに詳しかったわけでもないし、カスタムを熱心にやっていたタイプでもないから。

でも、高校生の時に父がフォルクスワーゲンの『カルマンギア』を中古で買ってきたんです。ガレージに止まっている姿を見て、ただただ「カッコいい…。」ってうっとりして…。その時、サングラスをかけた自分がこれに乗って海岸沿いを走りながら、レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の「スカーティッシュ」を聴いてる情景が浮かんだんです。しょうもない妄想なんですけど。(笑)

それで、18歳になってすぐ免許を取りに行って、取得したその日にカルマンギアと江ノ島へ向かいました。ただの自己陶酔でしかないんですけど、その時の妄想が駆り立てた行動力は凄まじかったし、妄想が現実になったときの気持ち良さはずっと記憶に残っていて。

株式会社DAMD 面高翔五 代表取締役
そういう妄想や感覚を生み出すことが大切じゃないかなと思うんです。今の自動車の在り方からして「このクルマ、カッコいいでしょ?」とストレートに伝えても実際「買う」という行動には直結しないかなと感じていて…。ダムドとしてただカッコいいパーツを提案するというよりは、誰しもが持っている「こういう自分でありたい」「こういう人生を送りたい」っていう世界観にマッチして、自分が乗っている姿を妄想してしまうような。ダムドのパーツを纏ったクルマに乗れば憧れている世界観にグッと近づく、そんなお手伝いや提案が出来れば良いなと思っています。

---:そういったポジションを目指す中で、どのような点を意識してデザインを行なっていくのでしょうか?

面高:EV化の流れや安全性の強化に伴って、いろいろなセンサーが自動車に組み込まれていたり、車検制度の基準改正といった環境整備だったり、パーツデザインの領域は昔に比べると自由度が狭くなってきています。ただ、それを難しい状況だと嘆くのではなくて、その中で可能な表現を模索し、限られた領域の中でパーツメーカーとして最大限の価値を提供したいなと。それこそがデザインの本質かなと感じています。

結局自動車の変化と共にパーツメーカーも変化・挑戦し続けなければならないと思います。それはダムドが35年間やってきたことでもあるので、そのバトンを僕も引き継いで続けていきたいです。

ダムドがお仕事をさせていただいているフィールドって趣味嗜好品の世界で生活必需品ではないので、だからこそ顕著な違いで憧れと驚きを持ってもらえるパーツを創造し、ドライバーのカーライフが、もっと言えばその人の人生や心が豊かになる。そんなデザインやクルマのスタイリングを生み出していきたいです。

ダムド 公式サイト

《レスポンス編集部》

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