【ニュル24時間】スバル WRX STI、無念の炎上リタイア…監督、ドライバーズコメント

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ニュルブルクリンク24時間レース
ニュルブルクリンク24時間レース 全 9 枚 拡大写真

5月25日から28日にドイツで開催された「ニュルブルクリンク24時間耐久レース2017」でクラス3連覇を目指していたスバルSTIの90号車スバル『WRX STI』は、レース残り3時間弱を残し、無念のリタイアを喫した。

27日の決勝レースは、例年にない気温の高さに苦戦したチームが多かったようだ。タイヤがバーストして転がるシーンも…。STIチームも例に漏れず、27日の日没までは苦戦を強いられた。夜間は水温も落ち着き、前を行くアウディ89号車の『TT RS2』、TOYOTA GAZOO Racingの170号車レクサス『RC』を追い上げる走りを見せる。トラブルでピットインしたレクサス RCに代わって2位に躍り出る展開もあった。

しかし、午前6時頃にアクシデントが起きる。別クラスのマシンと衝突してしまったのだ。マルセル・ラッセーがドライブするWRX STIは前を行くヒュンダイのマシンが左ウィンカーを出しスピードを落としたので、パスしようとした。場所はピットを出て最初の左コーナーで、マルセルが右側から追い越しをかけたところに、ヒュンダイが衝突。助手席側のドアが大きく歪むほどの衝撃だった。マシンは何とかピットに戻り、メカニックの懸命な作業とチームの判断で、再びコースに戻る。マルセルは体の不調を訴え離脱したものの、残りのレースを闘い続けていた。

その後、約6時間を走り続けたWRX STIだが、ついにマシンが悲鳴を上げる。グランプリコース内で突如の炎上。走行不能となりリタイアせざるを得なかった。

チーム監督、ドライバーの各コメントは以下の通り。

STI チーム監督:菅谷重雄氏
「昨年我々自身が立てた目標がクリアできなかったので、それにあうクルマ、ディーラーメカニックも含め新しいプロジェクトメンバーで今年のNBRチャレンジに挑みました。なんとかクルマを間に合わせたのですが、新たなチャレンジについてはある程度の手応えをもって今週のレースに臨むことができました。結果は、あってはならない火災で終了ということになってしまいました。クルマのパフォーマンスはある程度検証できたし、進化は確認できました。しかし、この結果を招いたのは、どこかに見落としや思い込みがあったからかもしれません。今後またチャレンジできるなら、未達成の目標をクリアできるよう組み立てて、この地に立ちたいと思います」。

ドライバー:カルロ・ヴァンダム選手
「今週はまさに高い気温への対応に始まり、最後は火災で終わってしまいました。始まってみると、今までに経験のない高い気温の中、期待したパフォーマンスを発揮することがいかに難しいかを味わいました。最初のスティントでそれはあまりにも顕著で、その対策をして再スタートしましたが、勝利は逃げていってしまいました。しかし、まだポディアム圏内にいましたが、最後に僕のスティントで1周して第1コーナーを越え、なんの前触れもなく2速から3速にシフトアップした際、突然炎が上がりました。アクシデントのダメージによって左のドアが開けられなかったので、右側から車外に出たので僕自身はまったく無事でした。まったく今回はバッドラックでした。でも今回学んだことも多いので、次回はもっと幸運を引き寄せられると思います」

ドライバー:山内英輝選手
「クルマはちゃんと進化していたので、結果を出さなければならないところでした。チームとしても成長していたと思います。だから特に最後のアクシデントはとても残念です。あの時のチームのみんなの落胆した顔は忘れられないです。そのみんなの思いをぶつけ、来年こそはよい結果を出したいと思います。チャレンジしなければ成長はないですから」。

ドライバー:ティム・シュリック選手
「今週はまったく運がなかったようです。まずはやはり気温の高さに苦慮しましたし、アンダーステア傾向にも悩まされました。そして最後は、何が原因かはまだ知らされていないですが、火災を起こしてしまいました。本当に運に見放されたといってよいでしょう」。

ドライバー:マルセル・ラッセー選手
「全体的には運のない週末だったと思います。今年は事前テストをふくみ、とてもよい準備ができてい たと思います。それなのに、最後にはクルマが燃えてしまうというまったく不運なアクシデントが待っ ていました。僕たちはベストを尽くしましたが、それでもバッドラックに見舞われることがあるものです」。

《吉田 瑶子》

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