【レクサス LC 試乗】「輸入車からまた戻ってみようか」そう思わせる存在感…島崎七生人

試乗記 国産車
レクサス LC500h
レクサス LC500h 全 12 枚 拡大写真

試乗車『LC500h』のメーカー希望車両本体価格は1350万円。実車に接してまず思ったのは、価格度外視で「1台もらおう」といえる人生を送ってくるべき(そういえる人間になっているべき)だった…ということである。

【画像全12枚】

試乗後ずっと考えてきたことだが、『LC』で強く感じたのは、日本車では久しく感じなかった作り手のピュアな“志”が宿っている…ということ。熱意、自信と置き換えてもいいが、すべての開発エンジニアにとっても“自分で欲しいクルマ”に仕上がったに違いない。実際には1日に50台にも満たない生産ペースだから、当面は顧客に届けられる分で精一杯だろうが、自分でも乗らずにはいられない関係者は大勢いることだろう。

とにかく走りが気持ちいい。タイヤノイズ、振動、共鳴の少なさは驚異的で、サスペンションのしなやかな動き、乗り味もよく、それでいてワインディングもしっかりとラインをトレースしながら、自然な身のこなしで走り切る。新設計の懐の深いサスペンションだからこそ、21インチサイズの扁平タイヤも履きこなしている。

V8の豪快なサウンド、パワーフィールも手応えが十分。だがそれ以上に、3.5リットルのV6とモーターを組み合わせたハイブリッドも納得のいく仕上がりぶりで、自然で十分なパワー感と、折々でEV走行も可能な洗練された印象が『LC』に相応しい。『GT-R』『NSX』あるいは『LFA』といったスーパースポーツと違い、一般道を思いのままのペースで流すように走らせても気持ちが癒される。何か神経を逆撫でする要因がないこともこのクルマの魅力だ。

外観スタイルは(スピンドルグリルと一部のディテールを除き)控えめですらあるが、フォルムがキレイでいい。フラットなアウターレンズの奥に光るミステリアスなテールランプなど、おや!?と目を惹く要素もちりばめられている。インテリアはアナログ時計の位置がどうかな?と思えるくらいで、奇抜なデザインに圧倒されるようなことがなく、スッと乗り込め、居心地もいい。

もちろん後席は本来的に着ていたジャケットの置き場で、試しに乗り込んでみると当然ながらスペースは限られていた。と、そこで運転免許を取った頃に友人が意気揚々と乗って来た『セリカLB』の後席に乗せられたことを思い出した。そういう世代のクルマ好きも今はいい大人だが、輸入車からまた戻ってみようか…そう思わせてくれる存在感も『LC』にはあると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ、レアアース不使用の永久磁石開発企業の米「Niron Magnetics」に出資
  2. 日産『ムラーノ』、新グレード「ダークアーマー」追加…2027年型を米国発売
  3. 『マツダスピリットレーシング3』ついに市販化へ? デザインを大胆予想!
  4. ホンダ『CR-V』次期型は2028年登場か? 新e:HEV+電動AWDで進化!
  5. 心中が目的? 運転者を被疑者死亡のまま書類送検
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  2. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  3. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  4. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  5. 生活道路の法定速度が30km/hへ、9月1日から引き下げ---ここまで影響アリ
ランキングをもっと見る