【MotoGP 第9戦ドイツ】8年連続Vのマルケスの前をルーキーが走った…変則左回りのバトル

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マルク・マルケス(レプソルホンダ)
マルク・マルケス(レプソルホンダ) 全 10 枚 拡大写真

シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGP。勝ったのはやはりマルク・マルケス(レプソルホンダ)だった。今季2勝目だ。

マルケスはドイツGPをおこなうザクセンリンクでめっぽう強い。これでなんと8年連続のポール・トゥ・ウイン。圧倒的な強さを毎シーズン見せている。

ザクセンリンク、いったいどんなコースなのか。

まず、グランプリを開催するコースの中で最も全長が短く、1周3671メートルしかない。最長はイギリスGPを開催するシルバーストーンで全長5900メートルだから、その3分の2にも満たない

レース中はほとんどバイクが傾いていると言えるほど曲がりくねっていて、高低差があるから先が見えない場所も多い。

そしてヨーロッパでは珍しい左回りのコースというのも大きな特徴で、左コーナーが10もあるのに対し、右コーナーは3つしかない。

そんな難解テクニカルコースが得意なマルケスは、左回りオンリーのフラットトラックレースでも速く、その筋のスーパースター(AMAフラットトラック選手権チャンピオン)であるブラッド・ベイカーとイベントレースで一緒に走っても、いい勝負をしてしまうほどの腕前を持っている。

MotoGPでもフラットトラックを走るかのようにリヤタイヤを流し、鋭くマシンの向きを変える超絶テクニックを繰り出し、これがマルケスのザクセンリンクでの強さのヒミツでもあるのだ。

そんなマルケスの前を走り、一時はトップに躍り出たライダーがいたから驚いた。地元ドイツ人のルーキー・ジョナス・フォルガー(モンスター・ヤマハ・テック3)だ。

最高峰クラスでの表彰台はこれまでなかったが、レース終盤までマルケスに食い下がり、9戦目にして母国で初の3位入賞。もしやマルケスに続く左コーナーの魔術師誕生か……!?

シーズン後半戦の走りにももちろん期待がかかるが、来年のドイツGPがいまから楽しみで仕方がない。ちょっと気が早いかもしれないが……。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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