一般社団法人・日本民営鉄道協会(民鉄協)は7月10日、箱根登山鉄道をテーマにした鉄道体験学習デジタル教材を、7月14日から同協会のウェブサイトで公開すると発表した。
箱根登山鉄道は、神奈川県の小田原駅(小田原市)と強羅(ごうら)駅(箱根町)を結ぶ鉄道線と、強羅駅と早雲山(そううんざん)駅(箱根町)を結ぶ鋼索線(ケーブルカー)からなる。
鉄道線の軌間は、小田急電鉄の車両が乗り入れる小田原駅~箱根湯本駅(箱根町)間が1067mm、入生田(いりうだ)駅(小田原市)~強羅駅間が1435mm。入生田駅には車庫があるため、箱根湯本駅までは両軌間が混在した「三線軌条」となっている。
箱根湯本駅~強羅駅間は、80‰もの最急勾配を控える山岳路線で、15m級車体の電車が、途中3ヶ所にあるスイッチバックを上り下りするシーンは、マニアならずとも人気が高い。
今回、民鉄協では、そんな箱根登山鉄道をウェブサイト上で体験できるコンテンツ「登山電車でたずねよう 箱根・小田原トコトコ旅事典」を、小中学生向けに公開する。
鉄道線と鋼索線の全17駅から徒歩圏にある自然、文化財、歴史的な建造物などを豊富な写真で紹介するほか、沿線を中心に箱根の発展に尽力した人物や、箱根登山鉄道と地域との関わりも取り上げる。
民鉄協では、鉄道体験学習デジタル教材を「鉄道の乗車体験を通じ、小・中学生に、地域公共交通としての鉄道について再認識してもらうとともに、地域を知り、郷土への愛着を深めてもらうための調べサイト」として位置づけており、これまで、小中学校の教諭、鉄道事業者、教科書会社の協力により、16社の準大手・中小私鉄を取り上げている。