【ホンダ フィット 試乗】ご自慢の低床は一体、誰のためなのか?…岩貞るみこ

試乗記 国産車
ホンダ・フィット・ハイブリッドLホンダセンシング
ホンダ・フィット・ハイブリッドLホンダセンシング 全 8 枚 拡大写真

どんなにかっこいい人でも、一つ嫌いなことがあると、急に冷めちゃうことってないだろうか。マイナーチェンジした『フィット』。ボディ剛性をよくして、乗り心地もアップ。ブレーキを踏んだときの違和感も減った。高齢者事故で急に盛り上がりをみせる先進安全機能のホンダ・センシングも搭載し、盤石の態勢とみえるフィット。

【画像全8枚】

でも、私にはどーっしても受け入れられないところがある。フィットご自慢の低床が、気に入らないのだ。

とにかく、低く低く低く。独自のセンタータンク・レイアウトで、床を低くして車内空間を稼ぐ。ただ、ガソリンタンクが前席のシート下にあるゆえ、タンク内のガソリン量によって、信号待ちで止まるとたっぷたっぷとガソリンの揺れる音がするのが気になっていた。でも、今回はそこじゃない。床の形状だ。

あからさまな凹凸っぷりが気に入らないのである。まず、前席の足元。まるで、コンクリートで無粋な護岸工事をしたかのような形状の(あくまでも形状。コンクリートがはりつけてあるわけではない)違和感丸出しの壁がある。ペダルを踏むために足を置く部分は低いのだが、運転席に座って足を動かすとカカトや左足外側あたりが壁にあたる。おろしたての革の靴や、白いスニーカーはぜったい履きたくない感じなのである。

さらに後席。座ろうと乗り込んだ瞬間、足をくじくかと思った。ちょうど一歩めのところの床が、ナナメになっているのである。後席に座りながら確認すると、正面を向いて膝を直角にして足を置いた部分が一番低く、前席のシート下に向かってわずかに高くなっている。これはこれで踏ん張りがきく形状なので文句はない。問題はこのくぼみが、ドアに向かってナナメに高くなっていることだ。

つまり、乗り降りするときに足を置いて力を入れる床に傾斜がついているのである。それもかなりの傾斜で。若い方は大丈夫なんでしょうが、乗るときも降りるときも、足腰弱り始めたワタクシ、よろけましたよ。

なぜ、こんなことになっているかというと、フラットな荷室を広げるために、後席の背もたれを前に倒すのだけれど、この盛り上がった床の部分で背もたれを支えるらしいのだ。

うーん、それってありなのか? フラットな荷室を使うのと、後部座席に人が乗るのと、どちらが頻度が高いのだろう。というか、フラットな荷室を作るために、そのへん犠牲にしていいものなのか。低床自慢はいいけれど、やりすぎると結局使いにくくなるんだと思います。

■ 5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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