【インドネシアモーターショー2017】SUVらしさを備えつつMPVとして磨き上げたデザイン…三菱 エクスパンダー

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大盛況の三菱ブース
大盛況の三菱ブース 全 14 枚 拡大写真

ワールドプレミアされた『エクスパンダー』は、三菱車フロント部のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用しつつ、インドネシア市場を徹底的に分析してMPVの魅力を追求している。そのデザインの意図を担当デザイナーに聞いた。

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エクスパンダーは三菱にとって、インドネシア市場において初めて投入される小型MPV。排気量1.5リットルで7人乗りというクラスは、すでに他メーカーから多くのモデルが登場していて激戦区となっている。エクスパンダーの開発が本格的にスタートしたのは2014年ごろのことで、開発初期には小型MPVユーザーの徹底的なリサーチをおこない、商品コンセプトを練り上げていったという。

「その以前から先行開発をやっていて、それを見直すことからスタートしました。現地調査の結果を見つつ侃々諤々の議論をしたんです」と振り返るのは、三菱自動車デザイン本部デザイン戦略企画部の松延浩昭プロダクトデザインダイレクター。

エクステリアのスタイリングは、今年のジュネーブモーターショーで公開された『エクリプスクロス』との共通性を強く感じるものになっている。ただしエクリプスクロスとは異なって、エクスパンダーのヘッドライトはバンパー部にある。

「低い位置から照らすと、路上の物体の影が前に長く伸びる。これを高い位置の運転席から見下ろすと、高い位置から照らすよりも立体感が把握しやすくなり、機能的にも優れたものになりました」とのことだ。

エクステリア全体では、充分なインテリア空間を確保しつつ、タフでダイナミックなSUVらしさを兼ね備えたスタイリングが追求された。三菱には世界的に人気の高い『パジェロスポーツ』があり、このSUVとの共通性も意識しつつ、しかしMPVとして最適なスタイリングを追求したという。「ユーザーの使い方が、パジェロスポーツとは異なりますから」と松延氏。

松延氏は、スタイリングのポイントとして「キャビンの長さ感」を挙げる。実際に室内長が大きいだけでなく「長くて快適そう」と感じさせることが重要、というわけだ。しかしそれを愚直に表現しただけでは胴長のイメージとなってしまう。「スリークなフォルムにしつつ、前後のユーティリティ感をしっかり出すようにしました」という。

リアエンドはフロントと同様にシャープなグラフィックで構成されるが、面の表情はやや異なって、丸みやふくよかさを感じさせるものになっている。しかしこれは意図的なものだという。「リアゲートには、面の”張り”やボリューム感が必要なんです」と松延氏。「張りのある造形にしないと痩せた印象になってしまい、MPVにふさわしい品質感が備わりません。商用バンに感じられてしまうんです」とのことだ。

インテリアはどうデザインしたのだろうか。印象的なのは、水平基調でワイド感のあるインパネの造形だ。これはインドネシアの道路事情と、それに基づいて形成されるマイカーに対する意識を反映したものだという。

「 とくにジャカルタは渋滞がひどい。車中で過ごす時間も長く、車は第2の家だと言う人もいるほどです。こうなるとリビング感覚が重視される。運転席もコックピットらしさよりも、いかに快適に過ごせるかということが大事」ということで、広さ感やリラックスできる雰囲気を追求。アーチ状の造形でモダンに見せつつ、適度な包まれ感を表現したとのこと。

また上級グレードには木目調の加飾パネルが与えられるが、これがインパネとフロントドアだけでなく、リアドアにもあしらわれている。これは後部座席も大切にしたいという気持ちのあらわれなのだとか。「最後発のモデルが、先行者たちと同じでは選んでもらう価値がありません。驚きを提供できる新しさ、それにリビング感がもたらすモダンさを盛り込みたいということで、加飾のデザインを考えました」と松延氏は説明する。

ちなみにスライドドアを採用していないのは「コストや嗜好のバランスを考慮すると、スイングドアがベスト」という結論になったためという。3列目座席の乗降性を高めるためにリアドアをフロントドアよりも長くしたほか、開口形状や2列目座席の折りたたみ機構の工夫でクラストップの乗降性を実現している。

インドネシアではMPVの購入動機として、男性のSUVユーザーが「妻のために買う」という増車のケースも少なくないのだという。そこで「パジェロスポーツのユーザーの、増車したいという欲求にも応えられるものにする必要がありました」と松延氏。エキスパンダーはSUVらしさが前面に表現されながらも、MPVとして使い勝手を徹底的に追及したデザインなのだ。

《古庄 速人》

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