車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ…ダイヤトーンサウンドナビの場合

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『ダイヤトーン サウンドナビ』の装着例。製作ショップ:ピットハウスコスギ。
『ダイヤトーン サウンドナビ』の装着例。製作ショップ:ピットハウスコスギ。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの音を良くするためのアプローチは、大きく分けて2種類ある。1つが、スピーカー交換等を行って“質”を上げていくアプローチ、そしてもう1つが「サウンドチューニング機能」を活用して“サウンドステージ”を改善していくアプローチ。

当短期集中連載では、後者にフォーカスし、これを実践するための具体的な方法を1つ1つ解説している。今回は前回に引き続き、特殊なケースをご紹介する。フィーチャーするのは、『ダイヤトーン サウンドナビ』。これならでは活用方法やメリットを、詳細に解説していく。

■帯域分割され、個別にコントロールされた信号を、同一ch内で伝送可能。

ここまで、「サウンドチューニング機能」を取り入れる方法として、「メインユニットの換装」、「アンプ内蔵DSPの導入」、「単体DSPの導入」の3つをご紹介してきた。今回取り上げる『ダイヤトーン サウンドナビ』は、この中の「メインユニットの換装」にあてはまるものであるのだが、実は、これならではのメリットや、独特な使い方が存在している。そこのところを「メインユニットの換装」をご説明する回の中でご紹介しきれなかったので、ここで改めて解説しようと思う。

実は『ダイヤトーン サウンドナビ』には、他にはない特別な機能が備えられている。その機能の名前は「マルチウェイタイムアライメント」だ。

名前からわかるとおり、「タイムアライメント」の一種であるのが、他とは仕組みが異なっている。

これまでもご説明してきたとおり、「タイムアライメント」を運用しようとするときにはまず、あらかじめ信号の帯域分割を行う必要がある。音楽信号をトゥイーター用の信号、ミッドウーファー用の信号に分けた上でそれぞれを個別に制御するのだ。そのようにして各信号に対して個別に「タイムアライメント」を効かせた後、それぞれが個別にパワーアンプの1chずつに送り込まれ、個別に増幅され、個別に各スピーカーユニットのところまで運ばれていく。

それに対して『ダイヤトーン サウンドナビ』の「マルチウェイタイムアライメント」では、個別に制御された信号をなんと、同一chの中に混在させることが可能なのだ。高域の信号と、中低域の信号にはそれぞれ別の「タイムアライメント」設定が適用されているにも関わらず、chを分けずに伝送できるのである。

■詳細なコントロールが可能となるのに、システムは“巨大化”しない…。

このスペシャルな仕組みにより、以下のようなメリットが生み出される。まず挙げるべきは、「システムが巨大化しない」こと。先ほどご説明したとおり、通常のシステムにおいては、詳細なチューニングを適用させるためには、スピーカーの数と同じ数のアンプのchが必要となる(このようなシステムは“マルチアンプシステム”と呼ばれている)。結果、システムの巨大化は免れない。

内蔵アンプでシステムを完結させる場合はまだいいのだが、「単体DSP」を使う作戦においては、このことがハードルとなる。しかし、『ダイヤトーン サウンドナビ』ならそうはならない。例えばフロント2ウエイを詳細にコントロールしようと思っても2chあればOKなので、内蔵アンプで鳴らす場合では残り2chでリアスピーカーを鳴らすことができるし、外部パワーアンプを組み合わせるときでも、フロントスピーカーのために用意すべきパワーアンプは2ch分だけで良いのだ(プレミアムグレードのモデルでは、フロント3ウェイであっても、2chで制御することが可能)。

であるので、「単体DSP」を使う作戦と比べて、外部パワーアンプにかかる予算が半分ですむ。または、アンプの1ch分に倍のコストを掛けることも可能となる。同じ予算で、より高級なパワーアンプを買うこともできるのだ。

さらには、省スペース、というメリットももたらされる。気軽に本格的なシステム運用を行えるのだ。

■『ダイヤトーン サウンドナビ』なら、純正スピーカーのままでも詳細な制御が可能に。

そして、利点はもう1つある。それは、「純正スピーカーに対しても、詳細なコントロールが容易にできる」こと。

もちろん、「アンプ内蔵DSP」や「単体DSP」でも、純正スピーカーを詳細に制御することは不可能ではない。しかし、それをしようと思ったら、例えば「アンプ内蔵DSP」から純正スピーカーまでの配線を、引き直す必要が出てくる。後々スピーカーを交換するつもりであるならば、先にスピーカーケーブルだけを換えておく、という観点でこれを行うのはアリだが、ある程度大がかりな作業になってしまう。

しかし『ダイヤトーン サウンドナビ』ならば、ナビを換えただけで、つまり、純正スピーカーの配線の引き回しをやり直すことなしに、トゥイーターとミッドウーファーを個別にコントロールすることが可能となるのだ。

このような使い方の場合、スピーカーはそのままなので、音の“質”が劇的に変わることはないが、“サウンドステージ”をリアルにすることは簡単に行える。そして、その結果も十分に感じ取ることができる。「サウンドチューニング機能」を車内に持ち込むことで得られる利点を手軽に味わうことが、『ダイヤトーン サウンドナビ』ならば可能なのである。

『ダイヤトーン サウンドナビ』ならではの特長をおわかりいただけただろうか。「サウンドチューニング機能」を車内に取り込もうとしたとき、当機を用いると、効率的なシステム構築が可能となる。覚えておいて損はない。

ちなみに、「ダイヤトーン サウンドナビ」を用いながら、フロント2ウェイスピーカーを“マルチアンプシステム”で(パワーアンプの4ch分を使って)鳴らすことも可能だ。実を言うと、これにはこれのメリットもあり、実際、このような使われ方がされることも結構多い。『ダイヤトーン サウンドナビ』では、いろいろな鳴らし方ができる。懐が深いユニットなのだ。

さて、今週は以上だ。当短期集中連載は、次回で最終回とさせていただく。もう1つ、特別な方法をご紹介して、まとめとする予定だ、お楽しみに。

車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ! Part.6「ダイヤトーンサウンドナビの場合」

《太田祥三》

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