【実践! サウンドチューニング】ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析 その16

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
フォーカル・FSP-8。
フォーカル・FSP-8。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオをとことん楽しもうと思ったら、「サウンドチューニング」にも挑戦すべきだ。そのためのノウハウをご紹介している当コーナー。現在は、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」を行っている。そして今週も、「単体DSP」についての考察を続行する。

今週は、「単体DSP」の「クロスオーバー機能」について検証していく。

ところで、とにもかくにも「単体DSP」は高機能だ。ここまでで解説してきたとおり、「イコライザー」で言えば“左右独立”がハイエンド機器のスタンダードであったのに対し、「単体DSP」では“ch独立”である機種も増えている。さらにはそれぞれのchのイコライザーが、より詳細にチューニングできる“パラメトリックEQ”であったりもする。「サウンドチューニング」に特化したユニットであるわけなので、それもそのはず、ではあるのだが…。

で、「クロスオーバー」機能においても、その傾向は同様だ。

まずは、これを“ch独立”で行える機種が多くなっていることが、「単体DSP」ならではと言っていい。“ステレオ”の原理から言えば、左右のスピーカーのコンディションを変えてしまうことは基本的にはNGだ。であるので本来ならば「クロスオーバー」調整を、左右で変える必要はない。“デッドニング”を行うにしても同様で、使用する部材の量、貼る位置等々を、左右で同じにするのが絶対条件とされている。ホームオーディオのスピーカーを見ても、左右でボックス形状が異なっているモデルを見かけることはないはずだ。

しかしながら、リスニングルームの形状、状況が左右で異なっているカーオーディオにおいては、「クロスオーバー」の調整を、左右で微調整させることが有り得る、というわけなのだ。

また、クロスオーバーの“肩特性”を選べる機種も多くなっている点も、「単体DSP」ならではと言える。“肩特性”とは、“クロスオーバークラス”とも呼ばれているが、要は、クロスポイント付近の、減衰の始まり方の違いを示す言葉である。鋭角的に減衰し始めるのか、なだらかに減衰し始めるのか、そのタイプを選ぶことができるのだ。

タイプによって位相特性が異なったりするので、“肩特性”を選択することでも音の繋がり等を追い込んでいくことが可能となる。これを使い切るには高等技術が必要ではあるが、最新の「単体DSP」では、そこまでも対応可能となっている、というわけだ。

さて、今週はここまでとさせていただく。次週も引き続き、「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」を続行する。お楽しみに。

【実践! サウンドチューニング】Part.5「ユニットタイプごとの調整機能の傾向分析」その16

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. ホンダ『ヴェゼル』、新グレード「RS」先行予約開始…10月発売へ
  4. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  5. 顔が激変! BMWの最小SUV『X1』改良新型、ノイエクラッセ導入へ…プロトタイプを初スクープ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る