JTBグループのJTBパブリッシングが発行している月刊誌『JTB時刻表』の索引地図が、2017年11月号(10月25日発売)でリニューアルされた。JTBパブリッシングによると、索引地図の大幅なリニューアルは50年ぶりという。
『JTB時刻表』は1925年に創刊。従来の索引地図は1967年のリニューアルがベースとなっており、路線の開業や廃止などにあわせて随時修正されてきた。デフォルメした形状の日本列島を南から北へたどるようにして12ページ(6枚分)に分割し、これとは別に大都市圏の拡大図なども収録。JR線は全ての駅を掲載していたが、私鉄や第三セクター鉄道などJR以外の鉄道路線は一部の駅を省略していた。
JTBパブリッシングによると、今回のリニューアルでは私鉄などの駅も含め、鉄道路線の全駅を掲載。「ユニバーサルデザイン書体」に変更することで、情報量と見やすさを重視したという。特急運転系統図も私鉄の有料特急を追加した。
実際に11月号を見たところ、とくに九州と北海道の形状が大きく変化している。路線の記号はJR線が従来と同じだが、JR以外の鉄道は「私鉄・第三セクター」と「第三セクター(元JR・元国鉄)」に分けられた。
一方、日本列島を6枚に分ける構成は従来通りだが、分割の境界点は一部が変更された。東北本線の場合、従来は鏡石~須賀川間(福島県)で分けていたが、リニューアル後は同区間より東京寄りの黒磯~高久間(栃木県)で分割。新潟県北部のJR線は羽越本線の新発田~加治間で分けていたのに対し、リニューアル後の分割点は越後線青山~関屋間、上越新幹線燕三条~新潟間、信越本線古津~新潟間の3カ所になった。これまで東京駅と新潟駅は同じページ内に収まっていたが、新潟駅は次のページに離れた。
領土問題がある地域は、韓国が実効支配している竹島(島根県)の図を追加した。ロシアが実効支配している北方四島(北海道)の図と、中国が領有権を主張している尖閣諸島(沖縄県)の図は、以前から掲載されている。
また、薄い緑色で範囲を示していた「周遊おすすめ地」の情報は、リニューアルに伴い「おもな観光地」として整理。観光地の名称を地図に書き加える形に変わった。
この情報は当初、国鉄・JRの普通周遊乗車券(一般周遊券など)の周遊地を示していたもの。普通周遊乗車券は、指定された周遊地を原則2カ所以上回ることなどを条件に発売されていた割引切符で、周遊地の範囲を時刻表の索引地図で分かるようにしていた。普通周遊乗車券は1998年に発売を終了したが、索引地図の周遊地は「周遊おすすめ地」に名称を変更し、掲載され続けた。