【アルファロメオ ジュリア 試乗】いいものをいいと言って、なにが悪い…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
アルファロメオ ジュリア
アルファロメオ ジュリア 全 6 枚 拡大写真

いいものをいいと言って、なにが悪い。すでにもう開き直りたい気分だ。フロントのナンバープレートが中央ではなく、向かって右側に付けられているのを見ただけで、アルファらしいと大きくうなずいてしまう。もっともイタリア人は「この美しいクルマの顔に、なにダサいナンバープレートをつけているのよ」と、怒りそうだけれど(主語が大きすぎた。私の知っているイタリア人たちと訂正しよう)。

隙のない華麗なデザインは、インテリアでも同じ。運転席に座ってまわりに目をやると、革とウッドとメタルパーツとブラックの、バランスのよさと質感にうっとりする。つつつーっと指でなぞって、あちこち触れて、そのオーラを放つ質感を直接、肌で感じたくなる。ハンドルの握り心地、独特なウィンカーレバーのタッチ感、そして、パドルシフトの触り心地。パドルシフトはプラスとマイナスの表示がくりぬいてあって、やっぱり、へえ~と、指でさわって確かめたくなる。

エンジンをかけると同時に、女心を鷲掴みにするエンジン音。けれど、走行中は必要以上に自己主張することなく、遮音性のよさがうかがえる。デザインも質感もこれだけ作りこまれたクルマだというのに、パワステは不意を突かれるほど軽い。そして、それに応じてコーナリングでもハンドルをわずかにきっただけで、シャープでシビアに向きを変えていく。それでも不安にならないのは、サスペンションとボディ剛性のよさだ。

クイックに車線変更しても、ぴたっと安定した状態を保ちって不安にさせない。高速にもっていくと、今まであれだけ軽かったパワステがいきなりずしりと重くなる。街中では軽く駐車しやすく、高速では横風にもふらつかない安定した手ごたえ。ものすごく上手なパートナーに社交ダンスに連れ出されたようで(踊ったことないけれど)、ヘタな運転でも見事に気持ちよさを引き出してくれる巧みさ。

これで惚れなくて、どうしろというのだ。このクルマに似合う身のこなしができるようになりたいと、本気で思いましたよ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る