地域住民助け合いによる乗合マッチングを実証実験へ

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地域住民助け合いによる遊休車両を利用した乗合送迎サービスの実証実験の概要
地域住民助け合いによる遊休車両を利用した乗合送迎サービスの実証実験の概要 全 3 枚 拡大写真

富士通は、福島県伊達市と富士通が提供する位置情報を活用したクラウドサービス「モビリティ・ソリューション・スペーシオウル」を活用した地域住民助け合いによる遊休車両を利用した乗合送迎サービスの実証実験を実施する。

実証実験は伊達市月舘町糠田地域の住民を対象に、2月から3月まで実施する。

伊達市では2017年から共助社会推進構築事業の取り組みとして、一人暮らしの高齢者世帯が抱える日常生活の様々な困りごとを地域住民による助け合いで支援する取り組みを進めてきた。この取り組みの中で、車両による送迎支援のニーズがあったため、移動したい利用者と送迎する支援者をマッチングする、ICTを活用したシステムの導入が求められていた。

富士通はタクシーやバスなど既存の交通手段とエリアとの棲み分けながら、運転手となる地域住民有志と、送迎希望者の位置情報などを、富士通の「スペーシオウル」を活用して効率的にマッチングする仕組みを構築した。実証実験を通じて乗合送迎サービスの有効性を検証する。

市が委託しているコールセンターが富士通の提供する専用WEBページで申請を受け付けた利用者の送迎希望時間や乗車場所、目的地と、富士通の「スペーシオウル」でデータベース化された登録運転手の送迎可能時間、位置情報などから所要時間を計算し自動的にマッチングする。

マッチング結果により送迎可能な運転手には、運転手のスマートフォンやタブレット端末に送迎依頼を自動送信する。運転手の送迎可能な時間内であれば乗合も可能。システムによる住民の利便性を検証する。

また、運転手の安全運転評価を行うため、法人向けの安全運転評価のクラウドサービスを提供するスマートバリューの協力を得て、運転手の車両に位置情報や速度などのデータを収集する同社が提供する端末を取り付ける。アクセルやブレーキの操作など、様々な視点から分析した安全運転評価データを作成し、市が安全運転を評価する。この評価データについて、利用者が運転手を選択する際の指標や、運営主体となる伊達市による運転手への教育などへの有効性を検証する。

伊達市は、今回の実証実験の結果をもとに、対象エリアの拡大や同地域で既に運行しているデマンド交通への適用、病院や介護送迎への本格活用など、サービスの実用化に向けて検討する。

富士通は今後、利用者の位置情報、移動実績情報などのデータをAIで分析し、利用者それぞれの特性や嗜好に沿った新たな移動需要の喚起や混雑緩和に活用する。また、同様の課題を抱える他の自治体や交通事業者にも展開していく。

《レスポンス編集部》

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