YONEXのカーボンバイクに用いられたナノテクが凄い!…nano tech2018

自動車 ビジネス 企業動向
nano tech2018のNEDOブースに展示されていたYONEXのカーボンロードバイク。
nano tech2018のNEDOブースに展示されていたYONEXのカーボンロードバイク。 全 5 枚 拡大写真

nano tech2018のNEDOブースには、YONEXのカーボンロードバイクが展示されていた。ナノテクは、様々な分野で従来にない性能を実現する分子レベルの開発技術。しかしカーボンファイバーはすでに十分に高い性能を発揮している素材だけに、あまり効果的な補強策とは思えない。ところが、実はCFRPの弱点を補う絶好の素材があったのだ。

ロードバイクが展示されていたのはNEDOのブースだが、実際の技術はNEDOの開発プロジェクトを受託したGSIクレオスのブースに詳しい展示があった。

炭素を高分子化したカーボンナノチューブの一種、カップ状になった炭素網を積層したカップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)は、様々な素材と組み合せることにより機械的物性から化学的物性、さらには触媒としての機能など幅広い分野で性能向上が期待できる物質だ。

これをCFRPを成形する樹脂に添加することで、カーボンファイバーの繊維間に入り込み、CFRPの靭性や強度を高めることが可能になるそうだ。YONEXがカーボンフレームの強度アップに用いているX-フラーレンと呼ぶ素材こそ、CSCNTだったのだ。

これまでCFRPの強度を高める方法としては、積層間の鬆(ス)を減らし、樹脂の含有量そのものを減らすというものが一般的だったが、樹脂の高性能化だけでなく、CSCNTを添加して樹脂とカーボンファイバーの分子間力を引き上げるというアプローチも可能になったのだ。

さらにプリプレグのようなあらかじめ樹脂を含侵したカーボンクロスを積層する場合には、樹脂フィルム内にCSCNTを分散させて、それを間に挟み込むことによりCFRPの積層間強度を高めることもできるそうだ。

レーシングカーだけでなく、高性能なスーパースポーツなどにCFRPの採用例が増えているが、ロードバイクほど極限まで強度や剛性と重量を追求してはいない。今後、更なる高性能化を考えた場合、こうした技術が役に立つことは間違いない。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る