超小型EV、FOMM『ONE』を正式発表。キャンペーン価格は約60万バーツ…バンコクモーターショー2018

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「FOMM ONE」はナンバーを取得して公道を試験走行中
「FOMM ONE」はナンバーを取得して公道を試験走行中 全 10 枚 拡大写真

2018年3月、ジュネーブモーターショーで日本発のベンチャー「FOMM」が初公開していた4人乗りEV。その正式名称が「バンコク国際モーターショー2018」において正式に車名はFOMM『ONE』と決定し、販売価格はタイ国内で66万4000バーツ(日本円換算:約225万円)と発表された。

この4人乗りEVは、トヨタ車体でパーソナルEV「COMS(コムス)」の開発を手掛けた鶴巻日出夫氏が、2011年に発生した震災による水害をきっかけに開発をスタートさせたもの。乗用車の普及期に入っているタイ市場で普及させるべく、2014年のバンコク国際モーターショーでもベースモデルが公開されていた。

モーターは車輪に内蔵する“インホイールモーター”方式を採用し、航続距離や充電時間への対応としてリチウムイオン電池を採用。満充電で160kmの航続距離を備え、最高速度は80km/hを可能としている。タイでの利用を考慮してエアコンも備えたが、その際の航続距離は100km程度にまで落ちる。満充電時間は6時間としている。

車体は樹脂・アルミ等の軽量材の採用や部品点数低減により、バッテリーレスの乾燥重量を約445kgに抑制。バッテリー込みでも630kgと軽量化を徹底した。ヨーロッパのL7e規格にマッチした衝突基準にも対応しているという。

また、東南アジアで頻発する洪水水害にも対応するべく、水に浮く構造となっているのも大きな特徴。ボートのように水上移動が可能な構造を採用しているのだ。前輪に用意されたヒレのようなものを回転させ、水上では人がゆっくり歩く程度の速度で進むことができる。

「FOMM」は2017年10月にヤマダ電機と資本提携、同年11月には船井電機とも提携。当初の予定から2年遅れで事業化のめどが立った。ショールームもバンコク中心部のトンロー地区に4月より開設する予定となっている。販売は2018年内にも行われる予定で、限定2000台で59万9900バーツ(日本円換算:約203万円)で販売する受注も開始した。

ただ、タイでは充電インフラが未整備で、EVはほとんど普及していない。年内の生産スタートを控え、同社は販売網の構築を急いでいる状況だ。その中でもタイ政府系の地方配電公社(PEA)のグループ会社と協業へ向けた覚え書きを結んだことは、同社にとって追い風となることは間違いない。

同社は今後、タイでの販売実績を積んだ上で、EVへの関心が高いヨーロッパや日本などでも販売をしていく予定。特に日本では、ヤマダ電機の店舗において2020年にも販売を予定しているという。

《会田肇》

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