音楽は何で聴く? ソースユニット大研究…ダイヤトーン・サウンドナビ

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『ダイヤトーン・サウンドナビ NR-MZ300PREMI/NR-MZ200PREMI-2』。
『ダイヤトーン・サウンドナビ NR-MZ300PREMI/NR-MZ200PREMI-2』。 全 1 枚 拡大写真

クルマの中で音楽を聴くときの“音源再生機器”について、その1つ1つの特長や楽しみ方のコツを紹介している当短期集中連載。ここから3回にわたっては、特に独自性が強いモデルを紹介していく。今回は、『ダイヤトーン・サウンドナビ』をフィーチャーする。

■毎年、新たな技術が投入され、音質性能が磨き込まれてきた…。

“ハイエンドナビ”でありながら“ハイエンドカーオーディオユニット”でもある『ダイヤトーン・サウンドナビ』は、他の『AV一体型ナビ』とは一線を画する、これならではのスペシャルな特長を備えている。今回はそのあたりを中心に解説しながら、当機の“ソースユニット”としてのポテンシャルも考察していく。

最初に、『ダイヤトーン・サウンドナビ』が、一般的な『AV一体型ナビ』とどう違っているのかを紹介していく。違いとして大きいのは主に2点。1「音の解像度が高いこと」、2「調整能力が優れていること」、以上の2点が、当機を“ハイエンドカーオーディオユニット”たらしめているポイントとなっている。

「音の解像度が高いこと」は、さまざまな特別な機能、機構、工夫を盛り込むことで達成されている。それらの中でまず注目すべきは、肝心要の音響パーツであるDACに、『32bit高精度・高音質D/Aコンバーター』が採用されていること、だ。そしてその上で、『リアルメジャーメント・サーキットテクノロジー』、『アドバンスドDACマスタークロックG4』、『高周波電子部品と基板銅箔パターン設計の最適化』等々、音に効くさまざまな試みが注入されている。

内蔵パワーアンプが高性能であることも、「音の解像度が高いこと」に大きく貢献している。通常のメインユニットでは、外部パワーアンプを追加すれば手軽に音質向上を図れる。投入するモデルがエントリーグレードであっても一定の効果を体感できる。しかし『ダイヤトーン・サウンドナビ』では、ミドルグレード以上の外部パワーアンプでないと、音質向上を感じ取りにくい。それほど、内蔵パワーアンプの性能が高いのだ。

2012年に初代モデルがリリースされ、以後、毎年毎年、新機種が登場する度に、新たな技術が投入されてきた『ダイヤトーン・サウンドナビ』。常に進化が果たされ、音が磨き込まれてきた。

■スペシャル機能「マルチウェイ・タイムアライメント」は、純正スピーカーシステムのサウンド向上も実現。

続いては、「調整能力が優れていること」について踏み込んで解説していこう。これについてはポイントが2つある。1つが、「サウンドチューニングを行うためのパーツであるDSPがそもそも高性能であること」。仕組みを詳細に説明するにはスペースが足りないが、要は、音質調整機能を働かせるための基本方式に「ダイヤトーン」独自の技術が注入されていて、音調整時に起こり得るネガティブな要因がつぶされ、高音質にチューニングを仕上げることができるようになっている、というわけだ。

そして2つ目のポイントは、「タイムアライメント機能が独特であること」。この高性能なDSPでは主に、「クロスオーバー」、「イコライザー」、そして「タイムアライメント」の調整が行えるのだが、そのうちの1つである「タイムアライメント」には、世界で唯一、「ダイヤトーン」だけが可能にしている特別な「タイムアライメント」機能が搭載されているのだ。

この「ダイヤトーン」独自の「タイムアライメント」は、「マルチウェイ・タイムアライメント」と名付けられている。他と異なる主な点は、ツィーターとミッドウーファーに対してそれぞれ個別に「タイムアライメント」をかけた上で、それらの音楽信号を同一chで伝送できること。例えば、フロント2ウェイスピーカーをLchとRchの2chで鳴らすシステムレイアウトであっても、フロントの4スピーカーを詳細に制御することが可能となる(通常は、ツィーターとミッドウーファーを個別にコントロールしようとすると、パワーアンプは計4chが必要となる)。

このことがさまざまな利点を生み出す。例えばスピーカーが純正のままのとき。通常ならば、そのツィーターとミッドウーファーを個別にコントロールしようとすれば、スピーカーケーブルを引き直す必要が出てくる(“マルチアンプシステム”というシステムレイアウトに変更する必要があるからだ)。しかし『ダイヤトーン・サウンドナビ』の場合は、純正スピーカーの配線はそのままで、ただナビを交換するだけで、ツィーターとミッドウーフアーを詳細にコントロールすることができるのだ。

■フォーマット対応が幅広い。“ハイレゾ音源”にも対応し、これを高音質で聴くための工夫も多々、盛り込まれている。

さて、このようにカーオーディオ『メインユニット』としてスペシャルな『ダイヤトーン・サウンドナビ』であるが、“ソースユニット”としての実力はどうなのだろうか。

ちなみに当機は、『スマホ』や『DAP』を“ソースユニット”とするときにおいても高音質であるような工夫も盛り込まれている。まず、“AUX”で外部機器を接続したときでも良い音が楽しめるように、アナログ入力回路も見直されている(『ピュアアナログコンテンツ再生』。最新モデルの1つ『NR-MZ300PREMI』のみ)。“AUX”接続はお手軽な接続方法であるので、その部分の音質性能は軽視されがちな傾向は否めないが、『ダイヤトーン・サウンドナビ』では、そこのところについても抜かりなく音質向上が果たされている。

また、Bluetooth接続においてもより高音質で楽しめるように、『AACコーデック再生』に対応している。

そして、“ソースユニット”として活用するときにも、高いパフォーマンスを発揮する。まず、フォーマット対応が多彩であることが利点だ。iPod、iPhone、USBメモリー、SD、CD、DVD、DVD・VIDEO、CD-R/RW、さらには、USB/SDの動画再生にも対応する。

その上で、“ハイレゾ音源”への対応も充実している。WAVファイル、FLACファイルとも、192kHz/24bitまで対応し(音声出力は44.1kHz/24bitにダウンサンプリング)、“ハイレゾ音源”の伝送をより高音質で行うための工夫も各所に盛り込まれている。

昨今は、AVメインユニットを交換しにくい車種も増えてきたが、もしもメインユニットを交換できるのであれば、“カーオーディオメインユニット”として、“ソースユニット”として、『ダイヤトーン・サウンドナビ』は候補の筆頭として浮上する。これの導入を検討する価値は高い。

次回は、「ビーウィズ」が擁する“ソースユニット”について考察していく。お楽しみに。

音楽は何で聴く? “ソースユニット”大研究! 第7回『ダイヤトーン・サウンドナビ』編

《太田祥三》

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