テクノフロンティア(18~20日、幕張メッセ。主催:日本能率協会)の会場内にキャンピングカーを発見、トヨタ『カムロード』ベースの本格的なトラキャン(トラックベースのキャンピングカー)だ。しかし、何だか様子が違う。
出展していたメディカル・エイドの古林剛さんに尋ねてみると、これは内部に電波を遮断した部屋をもつ電波シールド車両なんだとか。
同社は電磁波をシールドするMGネットを開発し、ペースメーカーを装着している人を高周波電磁波から守る防護服を作ることからスタートし、ベストやエプロンなどの電磁波防護製品を販売してきた。
航空機の機器やクルマの車載部品などは、電波による作動の影響や、それ自身が発する電磁波の大きさなどが規格化されている。またスマホのアプリやゲーム、あるいはアクセサリーなどのハードウェアを開発する現場は、通常の使用環境よりも電波状況が悪く、EMC(電磁不干渉)対策のためにシールドルームによる検証や試験が欠かせないのだとか。
しかし社内にシールドルームを持っている企業はまだまだ少なく、テストラボなどのレンタルスペースを借りて検証しても、その場で改良などの対策をするには時間不足となることも多いのだそうだ。
そこで開発したのが、この電波シールド車両という訳だ。車体後部の室内をステンレス板で覆い、出入り口はステンレスメッシュで扉を作った部屋に仕立てている。これにより大幅に電波や電磁波を遮断した環境で、開発や検証ができるのである。
シールドルームを持っていない企業が敷地内にこのクルマを停めるだけで1週間単位で利用できる。価格はレンタルのシールドルームの3分の1程度と格安なのが強みだ。しかもシェアしてもらうことも可能なので工業団地の空きスペースに停めておいて、複数の企業が交代で利用することもできる。
キャンピングカーをベースとしていることで、十分なスペースが確保できるだけでなく、休憩スペースとしても利用できる。テストラボと比べ、増車して需要に対応しやすい。アイデアもののレンタルシールドルームはITベンチャーにも喜ばれそうだ。
<訂正> 当初、電磁シールド車両の一部にMGネットが使われているように書きましたが、使われておりません。おわびして訂正いたします。また展示会場での説明の表現が修正されたのにともない、記事の表現も書き換え再出力いたしました。
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