手荷物検査は慎重な検討が必要…『のぞみ』殺傷事件で国交相が鉄道のセキュリティ強化を指示

鉄道 行政
N700系とN700Aで設置が進められている客室内防犯カメラと非常ブザーのイメージ。今回の殺傷事件はその最中で発生し、石井大臣は適切な運用の対応状況を報告するよう指示している。
N700系とN700Aで設置が進められている客室内防犯カメラと非常ブザーのイメージ。今回の殺傷事件はその最中で発生し、石井大臣は適切な運用の対応状況を報告するよう指示している。 全 1 枚 拡大写真

石井啓一国土交通大臣は、6月12日に開催された大臣会見で、東海道新幹線『のぞみ』で発生した殺傷事件に関連して、鉄道におけるセキュリティ対策の対応状況を明らかにした。

この事件は6月9日、東京発新大阪行き『のぞみ265号』で発生。12号車に乗車していた小島一朗容疑者が、突然、刃物を振り回して同乗の乗客を襲い、女性2人が怪我、助けに入った男性1人が死亡する惨事となった。

東海道新幹線では2015年6月30日、東京発新大阪行き『のぞみ225号』で乗客の1人が突然ガソリンで焼身自殺を図る事件が発生しており、JR東海ではそれを契機に、2016年4月からN700系80編成、N700A31編成に対して、デッキ部にのみあった防犯カメラを、客室内やデッキ通路部にも順次設置する工事を開始。当初、2018年度中に完了予定としていた計画を前倒しして、12月14日に完了させると発表していた。

今回の殺傷事件を受けて石井大臣は、6月10日付けで「見せる警備」や警察との連携強化、防犯カメラや非常警報装置の適切な運用などといったセキュリティ確保の徹底を各鉄道事業者へ指示。その対応状況を7月11日までに報告するよう文書で通知したという。

席上、記者から空港などで行なわれている手荷物検査の導入に対する質問があったが、石井大臣は凶器の持込みを防止する効果が認められるとしながら、東海道新幹線の1日あたりの利用者が約46万人、1時間あたりの運行本数が最大15本、1編成あたりの定員が1300人、改札口周辺のスペースも限られるという点を踏まえて、「旅客の利便性や運行の定時性を損なわずに円滑に手荷物検査の実施が可能かどうかといった点について、慎重な検討が必要と考えております」と述べており、今後は各種対策の実効性を検証の上、講じるべき対策を検討したいという意向を示している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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