【MINI クーパーS コンバーチブル 試乗】荷物スペースこそ小さいけれど、だからどうした…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
MINI クーパーS コンバーチブル
MINI クーパーS コンバーチブル 全 10 枚 拡大写真

こう言っちゃなんだが、初めてミニが楽しいと思った。いやもう本当にすみません、上から目線で。楽しさの理由は、今回、採用された7速ダブル・クラッチ・トランスミッションこと、7DCTである。これまでの6ATに比べ走りのシャープ感がまるで違う。1速ずつしゃきっとギアチェンジするエッジのきいた走りにわくわくするのである。

特に今回、試乗したのがコンバーチブルだったというのもある。なにせ屋根は幌。布製なので外からの音が車内にほぼダイレクトに入ってくる。つまり、ギアが切り替わるときにエキゾーストパイプから出るバフォッという音を、背中からもろに浴びせられ酔いしれるのだ。

ATと違ってDCTの欠点は、クリーピングがないことだった(ここ、過去形)。一速に入れたままブレーキペダルから足を離すと、じわりと前に進むアレがないのである。あの「じわり」がないと、アクセルペダルを踏んだ時に、ぐいっと前に出てしまい微妙な加速操作がしにくかったり(注・私のように下手な人)、クリーピングがあっても弱いと、坂道で後ろに下がって怖かったりと、びみょーな乗り心地だった。しかし、ミニは完全にその不安を払拭している。

坂道はヒルスタートアシスト機能で、勝手にクルマが数秒間、ブレーキをかけてくれるので後ろに下がらないし、ヒルスタートアシストが解除されたあとは、力強いクリーピングがかかって、きちんと前に進んでくれる。リバースに入れたときも同じなので、傾斜のある車庫入れで切り返し操作をしても、本当に気分的に楽なのである。いい。ミニの7DCT! 

コーナーを走らせるとミニらしさがにじみ出て、ハンドルをきりながらアクセルを踏みこんだときの、ぐいぐいと行きたい方向へと突き進む面白さは相変わらずだ。後部座席は、私のふくらはぎ測定で十分に座れる合格レベルで、4人乗車が楽しめる。荷物スペースこそ小さいけれど、だからどうした。

走って楽しい。このクルマにはこれだけあれば、他はいらないのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 1回あたり300円、10分で施工できる凄技コーティング、洗車機との相性も抜群『CCウォーターゴールド』が選ばれる理由PR
  2. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  3. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  4. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  5. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
  6. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  7. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  8. ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
  9. ホンダ ヴェゼル 改良新型、純正アクセサリーで“自分らしさ”を表現する
  10. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
ランキングをもっと見る