ターボ発電ハイブリッド搭載で571馬力、インフィニティ ブラックS…パリモーターショー2018

加速時に熱エネルギーから発電

ターボチャージャーに発電機を装備

ルノースポールF1チームのエアロダイナミクス技術

インフィニティ・プロジェクト・ブラックS プロトタイプ(パリモーターショー2018)
インフィニティ・プロジェクト・ブラックS プロトタイプ(パリモーターショー2018)全 19 枚

加速時に熱エネルギーから発電

日産の海外向け高級車ブランド、インフィニティは、パリモーターショー2018で、『プロジェクト・ブラックSプロトタイプ』(Infiniti Project Black S Prototype)を初公開。同車の技術を、F1マシンにインスパイアされた市販車の開発に応用すると発表した。

パリモーターショー2018でワールドプレミアされたプロジェクト ブラックSプロトタイプは、2017年春に発表された『プロジェクト ブラックS』の進化版。新型インフィニティ『Q60』(日本名:日産『スカイライン クーペ』後継車)をベースにした高性能なコンセプトカーだ。

パリで発表したプロトタイプは、車体の軽量化や空力性能を高めたボディのほか、車両のブレーキ作動時の運動エネルギーと、と加速時のエンジンの熱エネルギーの両方から発電する、2種類の環境発電システムを世界で初めて導入し、高性能モデルを提案。新たな可能性を広げたこのプロジェクトの成果は、インフィニティによる電動パワートレイン技術開発へのコミットメントを具現化したコンセプトカーになるという。

インフィニティは2021年以降、全ラインナップに電動パワートレイン車を設定する計画を掲げており、プロジェクト ブラックSプロトタイプは、インフィニティの今後のビジョンを明確に示す1台になる。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプのパワートレインは、引き続きハイブリッド。インフィニティとルノースポールF1チームが共同開発。F1マシンのデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術を、どのように市販車に導入できるかを研究開発してきた。

ターボチャージャーに発電機を装備

直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンには、独自のエネルギー回収システム「ERS」を採用。3つのモーター発電機ユニット(MGU)を搭載しており、ひとつのMGUは、ブレーキ時の運動エネルギーを回収。2個のターボチャージャーには、それぞれMGUが装備されており、排ガスから熱エネルギーを回収する。これにより、パワートレインはブレーキと加速の両方の場面において、電気を生成。電気エネルギーは、車体後部の蓄電容量4.4kWhリチウムイオンバッテリーに蓄電される。

プロジェクト・ブラックSプロトタイプは、このデュアルハイブリッド電動パワートレイン技術によって、最大出力571psを獲得。ベースエンジンの405psを4割上回るパワーを発生する。バッテリーに蓄えられたエネルギーは、最大120kWの追加電力をドライブトレインに直接供給することが可能。これにより、0~100km/h加速4秒以下のパフォーマンスを実現した。

ルノースポールF1チームのエアロダイナミクス技術

プロジェクト・ブラックSプロトタイプには、ルノースポールF1チームの持つエアロダイナミクス技術を導入。カーボンファイバー製のリアウィングは、ルノースポールF1マシンのモンツァウィングと同様の空力特性を備えており、サーキットなどでダウンフォースを生み出す設計。デジタルモデリング技術によって、ウィングの形状を細かくシミュレーション。これにより、直進時の安定性とコーナリング時の高いトラクション性能を追求した。ブレーキも強化されており、フロントは380mm、リアは360mmのカーボンセラミックを採用する。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  3. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  4. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る