日野、2025年にグローバル販売30万台、売上高2.5兆円の中計目標策定

日野自動車 決算説明会
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日野自動車は10月30日、2025年度にグローバル販売台数で30万台、連結売上高2兆5000億円まで引き上げる中期経営計画を公表した。販売台数の増加に加えて、整備や部品などの保有ビジネスの拡充、新事業の推進で目標達成を図るとしている。

日野の下義生社長は同日、都内で会見し「新車収益にプラス保有の部分、またソリューション事業を伸ばすことによって、より安定収益の構造へ変革をしていきたい」と述べた。

まず新車販売に関しては「日野は年々販売を伸ばしていて2018年度は20万台の新車販売になる。これを2025年度までに30万台の規模に拡大していく。台数増の施策としては、地域ごとの拡販施策に加え、早い開発で最適商品をタイムリーに提供する。また短い生産リードタイムでお客様にお届けする。こういった開発、生産、調達すべてが一体となった取り組みにより30万台の販売を確立したい」と説明。

さらに「アライアンスを活用した抜本的な原価低減といったことでの収益力の向上を含めて新車ビジネスでの台数増、収益増を図っていく」とも付け加えた。

保有ビジネスでは「現在約175万台の保有台数は年々増加し、2025年に270万台になる見込み。175万台の保有に対して整備などでお付き合いのあるお客様は約3割、50万台を少し超えるレベル。このお客様とのお付き合いが、将来は入庫促進等により5割の保有のお客様とお付き合いをさせて頂く。結果としては現在の2.5倍、135万台のお客様との車両のつながりが持てる」との試算を披露。

その上で「今の2.5倍の保有のお客様のサービスをしっかりやっていくということで整備力の向上を行っていくための整備レーン、メカニックの体制、国内は着々と今進めている。今後は海外についても、整備を進めていきたい。お客さまとの絆を強化して継続的にお付き合いを頂くビジネスモデルを確立していきたい。結果として日野の収益構造は、より景気変動、為替変動に強い安定的な収益構造につながる」と強調した。

日野が同日発表した2019年3月期第2四半期(4-9月期)連結決算は国内外での販売増や原価改善などにより売上高が前年同期比12.7%増の9578億円と過去最高を更新。本業の儲けを示す営業利益は同9.3%増の381億円と2期連続の増益となった。

下社長は「グローバルでの販売台数は半期として初めて10万台を超える過去最高となった。新車販売台数のみならず、アフターセルスを含めた収益力が着実に向上してきたことによるものと受け止めている」と総括した。

日野は上期の業績を受けて通期見通しを上方修正した。売上高は従来予想に対し700億円増額の1兆9300億円、営業利益は同30億円増額の860億円とした。前期に対しては5.0%の増収、7.1%の営業増益を見込む。

下社長は「上期には子会社の福島製鋼で火災事故が発生し、国内主力の古河工場でも稼働停止、減産を余儀なくされ、収益面では火災の影響が若干減益要因になる見込み。一方で販売台数の増加、収益力の向上に引き続き務めており、通期の見通しについては期首の公表から上方修正する」と述べた。

《小松哲也》

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