京セラ谷本社長「車載領域の研究開発を加速していく」

京セラの谷本秀夫社長
京セラの谷本秀夫社長全 1 枚

京セラの谷本秀夫社長は10月31日、都内で2018年度第2四半期決算の説明会を開き、車載をはじめIoT、通信5G、エネルギーの4分野に注力して2020年度に売上高2兆円を達成する目標を明らかにした。

同社の18年度第2四半期の業績は、売上高8006億円(前年同期比8.4%増)、営業利益826億円(同19.2%増)、純利益783億円(同23.6%増)と、売上高、純利益が過去最高を更新した。特に好調だったのが産業・自動車用部品と電子デバイス事業で、それぞれ売上高が22.7%増、33.9%増、利益が49.8%増、57.4%増と大幅に増加した。

「電子デバイス事業はスマートフォンがきっかけにコンデンサーが好調に推移してきたが、今年に入って車載で使われるコンデンサーが急激に増えた」と話し、この流れは今後数年続くと見ている。

そこで、谷本社長が打ち出した今後の戦略が電子デバイスに関連する事業の拡大で、特に4分野に力を注力することにした。例えば、車載関連では、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術の進展によって、自動車の販売台数以上に車載製品が伸びると見ており、AI認識車載カメラモジュール、ヘッドアップディスプレイ、ミリ波レーダー用基板、カメラ-LIDARフュージョンセンサーなどを売り込んでいく。

すでにミリ波レーダー用基板は引き合いが増大し、国内シェア80%を占めるまでになったという。「これから部門間の連携や外部との協業により、ADAS/車載領域の研究開発を加速していく。現在、さまざまな車載技術の開発に取り組んでいる」と谷本社長は説明する。

また、IoT関連では「CEATEC AWARD2018」で総務大臣賞を受賞した小型アンテナ「Amcenna(アムセナ)」を核にモビリティ、ウェアラブル機器、工場IoT、インフラ分野に切り込んでいく。アムセナは100円玉ぐらいの大きさで、金属や水の上でも特性が低下しないという画期的なアンテナだ。今後、システム化を進め2020年の事業化を目指す。

研究開発の取り組みについても変えていく。現在、横浜市に「みなとみらいリサーチセンター」を19年5月稼働を目指して建設しており、底に3カ所に散らばっていた研究者を集結させる。まずは600人からスタートし、将来的には1000人規模にする計画で、そこを自動運転、IoT、エネルギー、ロボティクスの一大研究拠点にしていく。

通期の業績予想は売上高1兆6500億円(前期比4.6%増)、営業利益1540億円(同69.8%増)、税引前利益1900億円(同46.2%増)、純利益1340億円(同69.3%増)と大幅な増益を見込む。「既存事業の拡大と新規事業の創出によって、2021年3月期の売上高2兆円、税引前利益3000億円、利益率15%を目指していく」と谷本社長は力強く語っていた。

《山田清志》

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