■13年ぶりのフルモデルチェンジを実施。フォーカルのハイエンドがいよいよデビュー

10月31日に千葉県にあるフォーカルプラグ&プレイストア本店で実施された発表会には東日本の多くのプロショップ関係者が集まり、設計思想のレクチャーからユニットの確認、さらにはデモカーの試聴も実施されることになった。

「新モデルは従来のユートピアシリーズの進化モデルでは無く、まったくの新ラインとして登場しました。ネーミングもユートピアMシリーズとしたのもそのためです。すべてにおいて新作となったことからシリーズ名も新たにしています」。
ユートピアMシリーズのラインアップは全部で5モデル。





いずれもアラカルト(単品スピーカーユニット)として用意されるため、2ウェイ、3ウェイ、さらには8インチミッドバスを使っての3ウェイなど、クルマの構造、狙うサウンドに合わせて多彩なシステム構築が可能なユニットラインアップになっている。


これらの結果、各ユニットの高域特性を改善し、よりワイドレンジに使える性能を得たのだ。8インチモデルの「8WM」で高域側は5KHzまで伸びる特性を備えることから、そのポテンシャルがうかがい知れる。トゥイーターの「TBM」に至っては50kHzまでをカバーする超高域までの特性を備えているのも魅力的だ。
さらにMインバーテッド振動板は構造的に振動板の奥行きを抑えることができるのも特徴。そのため、スピーカーを薄型設計できるのも大きな魅力となった。16.5cmの「6WM」で奥行き=51.5cmとするなど、インナー取り付けにも十分対応する薄さだ。
さらにM型断面の振動板はボイスコイルを大径化することができる点でも有利。例えば16.5cmの「6WM」には3インチのボイスコイルを採用(同サイズでは1~1.5インチが一般的)。スピーカーの裏側から見ると磁気回路がかなり大口径なのがよくわかる。またリング状のマグネットを採用しているので中央部は空洞となっているため、背圧の抜けの良さも同時に達成しているのも注目点だ。
Mインバーテッド振動板や磁気回路の進化に加え、Mシリーズには大振幅をフォローするWサンドイッチ構造の振動板やチューンドマスダンパー(TMD)など、従来のフォーカルが持てる先端技術をすべて集約。まさにフォーカルの持つ技術を注ぎ込んだユニット設計が施されているのだ。新世代のハイエンドシリーズに似つかわしい技術力の結晶がここに見られる。

■デモカーの試聴で感じた実力は本物の香り発表会当日は会場に3台の試聴用デモカーが用意された。ユートピアMシリーズの3ウェイを純正位置にインナー取り付けしたメルセデスベンツGクラス。2ウェイ+サブウーファーをインストールしたアルファード、そしてフロント3ウェイ+サブウーファーを備えるレクサスGSだ。


最新の設計より優れた特性を持つユートピアMシリーズ。読者の皆さんも実際にそのサウンドに触れ、フォーカルの新時代のフラッグシップのサウンドをリアルに体感してみて欲しい。