13年ぶりのモデルチェンジ、新たな時代を造る『フォーカル ユートピアMシリーズ』

13年ぶりのモデルチェンジ。新たな時代を造る『フォーカル ユートピアMシリーズ』登場
13年ぶりのモデルチェンジ。新たな時代を造る『フォーカル ユートピアMシリーズ』登場全 16 枚

フォーカルからハイエンドシリーズであるユートピアの新モデル「Mシリーズ」がデビューした。オーディオユーザー待望のハイエンドシリーズの登場に期待が膨らむ。先日行われた発表会に参加して、新シリーズの魅力とサウンドをチェックしてきた。

■13年ぶりのフルモデルチェンジを実施。フォーカルのハイエンドがいよいよデビューフォーカルのフラッグシップシリーズである「ユートピア」がフルモデルチェンジを果たして登場した。2005年以来、実に13年ぶりのフルモデルチェンジとなった今回の新作発表。多くのオーディオファンが待ち望んだ、まさに待望のデビューとなった。

10月31日に千葉県にあるフォーカルプラグ&プレイストア本店で実施された発表会には東日本の多くのプロショップ関係者が集まり、設計思想のレクチャーからユニットの確認、さらにはデモカーの試聴も実施されることになった。それに先だって、媒体向けの取材時間が設けられたので新ユニットについての詳しい話をうかがった。取材の対応をお願いしたのはビーウィズ国内統括部長である中島潔さん。新製品の魅力について紹介してもらった。

「新モデルは従来のユートピアシリーズの進化モデルでは無く、まったくの新ラインとして登場しました。ネーミングもユートピアMシリーズとしたのもそのためです。すべてにおいて新作となったことからシリーズ名も新たにしています」。

ユートピアMシリーズのラインアップは全部で5モデル。
34mmトゥイーター「TBM」/16万5000円(1ペア)
87.5mmミッドレンジ「3.5WM」/5万円(1ピース)
165mmウーファー「6WM」/15万円(1ペア)
200mmウーファー「8WM」/10万円(1ピース)
250mmサブウーファー「SUB10WM」/12万円(1ピース)

いずれもアラカルト(単品スピーカーユニット)として用意されるため、2ウェイ、3ウェイ、さらには8インチミッドバスを使っての3ウェイなど、クルマの構造、狙うサウンドに合わせて多彩なシステム構築が可能なユニットラインアップになっている。Mシリーズ最大の特徴となるのは“M”のネーミングの由来にもなった振動板形状だ。これまでもトゥイーターにインバーテッド振動板を用いてきたフォーカルだが、Mシリーズではすべてのスピーカーユニットにフォーカルの特許技術であるM型断面のMインバーテッド振動板を投入。これが多くのメリットとMシリーズならではの特徴を備えることになるキー技術となった。ユートピア進化の要因の多くはここに込められたと言っても過言ではないだろう。■Mインバーテッド振動板の採用により周波数特性や取り付け性などをレベルアップMインバーテッド振動板はその名の通り逆ドーム形状+M型断面を持つ振動板だ。トゥイーターからサブウーファーにまで同様の振動板形状を採用することで音色や特性の統一化を図っているのも狙い。またM型断面とすることで分割振動の改善や、振動板の途中に折り目を加えることによる強度のアップなどを備えたのが特徴。またセンターキャップレスの構造を作り特性をコントロールする。

これらの結果、各ユニットの高域特性を改善し、よりワイドレンジに使える性能を得たのだ。8インチモデルの「8WM」で高域側は5KHzまで伸びる特性を備えることから、そのポテンシャルがうかがい知れる。トゥイーターの「TBM」に至っては50kHzまでをカバーする超高域までの特性を備えているのも魅力的だ。

さらにMインバーテッド振動板は構造的に振動板の奥行きを抑えることができるのも特徴。そのため、スピーカーを薄型設計できるのも大きな魅力となった。16.5cmの「6WM」で奥行き=51.5cmとするなど、インナー取り付けにも十分対応する薄さだ。

さらにM型断面の振動板はボイスコイルを大径化することができる点でも有利。例えば16.5cmの「6WM」には3インチのボイスコイルを採用(同サイズでは1~1.5インチが一般的)。スピーカーの裏側から見ると磁気回路がかなり大口径なのがよくわかる。またリング状のマグネットを採用しているので中央部は空洞となっているため、背圧の抜けの良さも同時に達成しているのも注目点だ。

Mインバーテッド振動板や磁気回路の進化に加え、Mシリーズには大振幅をフォローするWサンドイッチ構造の振動板やチューンドマスダンパー(TMD)など、従来のフォーカルが持てる先端技術をすべて集約。まさにフォーカルの持つ技術を注ぎ込んだユニット設計が施されているのだ。新世代のハイエンドシリーズに似つかわしい技術力の結晶がここに見られる。加えてハイエンドシリーズならではのユニットデザインにも注目してみた。トゥイーター以外のユニットの背面を見ると印象的なフレームが見て取れる。クロスした形状の個性的なフレームは、フォーカルの故郷・フランスのアイデンティティのひとつとなるルーヴル美術館に影響を受けた形状。同美術館を象徴するガラスのモニュメントであるルーヴル・ピラミッドからインスパイアされたデザインはフランスを強く感じさせるものとなった。さらに磁気回路の一部にはフォーカルの高級モデルの象徴でもある“赤”を効果的に使った処理も施される。取り付けてしまうと見えなくなるスピーカー背面の隅々にまで気を配った作りもハイエンド機ならでは。
■デモカーの試聴で感じた実力は本物の香り発表会当日は会場に3台の試聴用デモカーが用意された。ユートピアMシリーズの3ウェイを純正位置にインナー取り付けしたメルセデスベンツGクラス。2ウェイ+サブウーファーをインストールしたアルファード、そしてフロント3ウェイ+サブウーファーを備えるレクサスGSだ。今回はその中でフォーカルプラグ&プレイストア本店のデモカーであるメルセデスベンツGクラスを紹介する。ドア下部&上部にミッドバス&ミッドレンジ、ダッシュ上にトゥイーターをインナーで取り付けするスタイル。トゥイーターはサイズの都合からフラックスの小型ツイーターをインストールする変則システムとした。サウンドはトレードイン取り付けとは思えないクオリィの高さ、低域から高域までのつながりの良さ、バランスも絶好。ハイエンドユニットの持つポテンシャルを十分に引き出す質感の高いサウンドは気兼ねなく高音質を楽しみたいユーザーにもぴったりだ。車室内の雰囲気は全く崩れること無くサウンドだけが高品位になるプラグ&プレイの真価が発揮されたデモカーだ。

最新の設計より優れた特性を持つユートピアMシリーズ。読者の皆さんも実際にそのサウンドに触れ、フォーカルの新時代のフラッグシップのサウンドをリアルに体感してみて欲しい。

13年ぶりのモデルチェンジ。新たな時代を造る『フォーカル ユートピアMシリーズ』登場

《土田康弘》

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