ソフトバンクの勝算…通信・ロボット・MaaSの融合戦略とは[オートモーティブワールド2019]

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ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏
ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏全 8 枚

1月16日から開催されるオートモーティブワールドのセミナーセッションでソフトバンクが5Gに関連したモビリティ戦略について講演を行う。通信事業にロボティクス、自動運転など前線を広げていっている同社だが、これらは戦略上どうつながっているのだろうか。

セミナー登壇に先駆け、講演者であるソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏に、セミナーの見どころと同社の5Gを軸とした自動運転やMaaS戦略について話を聞いた。

ソフトバンクの5G×自動運転プラットフォーム

----:自動運転を支えるインフラ技術として欠かせないのが5Gです。まず、自動運転と5Gについてソフトバンクはどんな戦略を持っているのでしょうか。

ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏

湧川氏(以下同):コネクテッドカーにおいて、通信技術にはセルラーV2XとDSRCの2つがあります。いまのところ、両者で実現できることに大きな違いはありません。セルラーV2Xは現状LTE(4Gに相当)と呼ばれるモバイル回線が利用され、DSRCはWi-Fiの規格をベースとした通信技術を使います。どちらも、車両と交通の安心・安全を強化するための技術として開発が進められています。

SBドライブでは、LTE回線を使ったトラックの隊列走行などの実験を行っていますが、我々が最終的に見ているのはLTEやDSRCよりも先の世界を見ています。

ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏

----:それは無人カーのようなものでしょうか。

それも含みますが、それだけではありません。高度なモビリティサービスという新しい市場です。

ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏

日本においては、管轄省庁の違いからセルラーV2XとDSRCは、一部対立構造ができてしまっています。しかし、LTEの新しいフェーズや5G通信になると、インフラから車両へのブロードキャスト(同報通信)だけでなく個別の車両ごとへのユニキャスト通信や、スマートフォンを持っている歩行者の検知などできることが広がってきます。

技術的な話をすれば、自動運転やMaaSの研究開発では、画像データや高精細3Dマップデータなど高速大容量の通信に対するニーズと、小さいデータで低遅延、高い信頼性、つまりリアルタイムでエラー率の極めて低い通信に対するニーズ、さらに接続デバイス数の飛躍的な増大ニーズに応える必要があります。

ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏ソフトバンク 先端技術開発本部 本部長 湧川隆次氏

5Gによって、車車間通信、路車間通信ともにできることが大幅に広がるので、新しい市場とそのビジネスプラットフォームを作ることを考えています。

通信インフラだけではない強み

ソフトバンクグループ孫正義代表ソフトバンクグループ孫正義代表

----:ソフトバンクグループ全体のポートフォリオの中で、5Gや自動運転、MaaSはどんな位置づけなのでしょうか。

5Gで重要なのはインフラづくりです。これはどうしても時間がかかる領域ですが、通信事業者としてのソフトバンクが担当する部分です。モビリティ事業の注力領域です。自動運転については、UberやGMオート、SBドライブでの技術開発を進めていますが、ビジネスモデルは、運輸業、交通事業者や自治体などB2Bです。SBドライブで隊列走行の実験を行っているのも、自動運転はオーナーカーより事業者の市場が先に立ち上がるとみているからです。

トヨタ e-Paletteトヨタ e-Palette

そして、これらのインフラ技術を使った新しいビジネス市場としてシェアリングやモビリティサービスを考えています。シェアリングやサービス開発ではUber、DiDi、MONETテクノロジーズが担う領域となります。

----:MaaSや自動運転でも重要となる5Gですが、通信インフラの技術として見た場合、他の大手通信事業者も同様な戦略を考えていると思います。ソフトバンクの強み、差別化ポイントはどこになりますか。

ソフトバンクとトヨタの事業イメージソフトバンクとトヨタの事業イメージ

今述べたように、通信インフラだけでなく、モビリティやIoTに特化したグループ企業を持っていることでしょう。インフラ、サービス、エンド市場までグループ企業のアライアンスの中で押さえることができます。半導体の設計メーカーであるArmを買収したのも、IoT市場の中でチップ市場の動向を掴めると同時に、Arm側もサービスプロバイダーやインフラ事業者の動向がつかめるからです。

新しい技術・サービスをキャッチアップするためのクラウド

----:サービスまでとなるとMaaSプラットフォーム事業も手掛けるのでしょうか。

配車や予約のようなサービスプラットフォームは、おそらくオープンかつパブリックなクラウド基盤を利用したほうがよいと思います。しかし、システムにかかわるプラットフォームはプライベートクラウドのほうが向いています。ソフトバンクとしては、プライベートクラウドの用途で、提供できる部分があるかもしれません。

いずれにせよ、クラウドとの連携は車両向けサービスでも欠かせないでしょう。車両のモデルチェンジ周期、部品供給を考えると、搭載するコンポーネントやハードウェアは10年単位で製品を考えます。自動運転機能を車両側のハードに依存しすぎると、新しい技術やサービスのキャッチアップが困難になりますし、セキュリティ上の問題にも対処できなくなります。5Gの世界では、一部の車両側機能もクラウドで管理されるようになるかもしれません。

----:最後に、オートモーティブワールドのセミナーでは、どんな内容を講演するのでしょうか。

今回のインタビュー内容についてもう少し詳しくお話するつもりです。モビリティや自律走行に関するロードマップや、5Gで実現できる技術やサービスについても事例を交えて紹介できればと思っています。

■本講演の詳細は
https://reed-speaker.jp/Conference/201901/tokyo/top/?id=AUTO&lang=jp#AUTO-1

■第11回オートモーティブワールド
自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における重要なテーマの最新技術が1120社出展する世界最大の自動車技術展。「国際カーエレクトロニクス技術展」「EV・HEV駆動システム技術展」「クルマの軽量化技術展」「コネクティッド・カーEXPO」「自動車部品・加工EXPO」「自動運転EXPO」の6つの展示会を開催する。また業界の第一人者たちが講演するオートモーティブワールドセミナーも注目を集めている。

■展示会のご入場には招待券が必要です。招待券請求(無料)受付中!
※招待券の事前登録により、入場料(5,000円)が無料になります。
https://www.automotiveworld.jp/inv/

会期:2019年1月16日(水)~18日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第11回オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

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《中尾真二》

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