【ポルシェ マカン 海外試乗】加速感が増したような、ポルシェらしい味付け…九島辰也

ポルシェ・マカン(欧州仕様)
ポルシェ・マカン(欧州仕様)全 20 枚

去る10月のパリモーターショー2018で正式発表された改良新型『マカン』。2014年にリリースされてから初めてのマイナーチェンジを受けた。そのマカンをスペインのマヨルカ島でテストドライブしたので、そのファーストインプレッションをお届けする。

新世代のデザインに変更

ポルシェ・マカン(欧州仕様)ポルシェ・マカン(欧州仕様)

エクステリアでの変更は、すでにお馴染みの4つのLEDを光らせるヘッドライトユニットと左右を一本の線で結ぶリアコンビネーションランプが目立つ。『パナメーラ』『カイエン』さらには『911』もこのタイプに変更されているので、これでマカンも新世代に入った感が強くなる。このほかバンパー類もリデザインされるが、“間違い探しクイズ”レベルと言えよう。

インテリアではセンターコンソールはほとんど変わらず、ダッシュパネルセンターが意匠変更した。これまでのエアコン吹き出し口を下へずらし、空いたスペースを使ってワイドモニターをそこにはめ込んだのだ。今後これまで以上にモニターの階層内で色々な操作をしなくてはならなくなるための措置。ワイドモニターはナビゲーション画面の見やすさを含め一つのトレンドであることは間違いない。

シャシー、パワートレーンといったハードウェアに大きな変更はない。今回試乗したのはマカンとマカンSだが、スペックは小変更にとどまった。これまで通りマカンには2リットル直4ターボ、マカンSには3リットルV6ターボで、どちらも7速PDKと組み合わされる。ただ、V6は354hp、480Nmと現行型からパワーアップされている。

トータルでのバランスのよさが光る

ポルシェ・マカン(欧州仕様)ポルシェ・マカン(欧州仕様)

試乗車のホイールはマカンが20インチ、マカンSが21インチを履いていた。どちらも標準では18インチだそうだから見た目はいいが、少々乗り心地は硬そうだ。と、思いきや今回の試乗ではどちらのモデルも乗り心地がよかったのが印象的。特にマカンSはエアサス仕様だったためか、しっかりした接地感を出しながら当たりの柔らかさも感じさせてくれた。長く走っているとサイズ以上の高級感を味わえる。

4気筒のマカンのトータルでのバランスのよさが光っていた。乗り味もそうだが、加速感も増したような気がする。それにハンドリングの軽快さも。きっとボディ剛性アップと軽量化が行われたのだろう。マカンに関してはグループ内での共有化が目立ってしまうが、最終的な味付けはちゃんとポルシェしている。そして今回4気筒のマカンはその味付けがより濃くなったようだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  3. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  4. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る