「無実」主張のゴーン前会長の保釈認めず、勾留長期化の持久戦も[新聞ウォッチ]

東京拘置所 (c) Getty Images
東京拘置所 (c) Getty Images全 1 枚

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の保釈請求を、東京地裁が却下する決定を下したことで、メディア報道が再びヒートアップ。きょうの各紙はゴーン事件のニュースがてんこ盛りである。

まず、「ゴーン前会長の保釈却下」を1面トップで報じたのは朝日、毎日、産経、東京の4紙。勾留は2018年11月19日の最初の逮捕から2カ月近くに及んでおり、「さらに長期化する見通しとなった」などと伝えている。

このうち、産経は「ゴーン被告姉に8000万円」との見出しで、「日産自動車の内部調査の一部が判明し、ゴーン被告の姉と実体のないアドバイザー契約を結んでいた問題では、日産が14年間で計75万5000ドル(約8230万円)を支出。このほか、高級住宅の取得・改修費やヨットクラブの会費、大学への寄付など、私的な目的で使うさまざまな費用を日産に負担させていた」と伝えた。

同様の記事は読売、朝日、東京なども取り上げており「日産はゴーン被告らに損害賠償を請求する方針」という。

また、各紙の社会面では、保釈却下で初公判まで半年以上、保釈されない可能性が出てきたために、長期勾留に対する海外からの批判の声が高まる恐れがあることなどを焦点にした内容が目立つ。

保釈が認められなかった理由としては「ゴーン被告が全ての起訴内容を一貫して否認していることからも、裁判所は証拠隠滅の恐れがあると判断した」とみられる。このうち、東京は「関係者との口裏合わせを警戒していた検察当局は胸をなで下ろすが、なぜ保釈が認められなかったのか」を分析。「サウジへの送金事件を重視か」と報じている。

もっとも、送金事件の問題といえば、2020年東京五輪・パラリンピックの招致を巡る日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の汚職疑惑も気になるところだ。朝日や産経は「五輪の顔釈明7分」とのタイトルで、竹田会長は疑惑を改めて否定したものの、質疑応答せずに退出したことを取り上げている。

限りなくグレーでも「私は無実だ」というゴーン前会長、「潔白」を主張する竹田会長。二つの疑惑の「真実」がはっきりするのはいつの日になるのか?

2019年1月16日付

●ゴーン被告保釈認めず、東京地裁、勾留長期化か、日産、賠償請求の方針、ゴーン被告ら私的流用疑惑(読売・1面)

●車大手変革へ提携、IT・電動化へ危機感(読売・10面)

●社内調査、ケリー被告会議で虚偽、子会社巡り投資名目で住宅購入(読売・35面)

●VWとフォード提携強化、EVや自動運転技術でも(朝日・8面)

●帰ってきたスープラ、17年ぶり発売へ(朝日・8面)

●スバル国内生産今年は2%減に、65万台、検査不正響く(朝日・8面)

●ルノー会長解任論仏でも、ゴーン前会長長期不在を懸念(朝日・9面)

●ゴーン被告姉に8000万円、日産調査、ヨットクラブ会費も(産経・1面)

●トヨタHV用電池増産、来年、好調の中国で3倍に(東京・7面)

●広告巡りトヨタに課徴金8000万円命令、韓国公取委(東京・7面)

●新車市場縮小で選択・集中、次世代車の開発急ぐ、中国昨年28年ぶり減、米国マイナス予測(日経・3面)

●トヨタ系、社債発行延期、長期金利の低下受け(日経・17面)

《福田俊之》

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