宇宙から列車を導く時代へ…国交省が宇宙衛星を鉄道に活用する検討に着手

日本上空の宇宙空間に滞在し、国内での位置情報の測位を向上させる日本の準天頂衛星システム初号機『みちびき』のイメージ。
日本上空の宇宙空間に滞在し、国内での位置情報の測位を向上させる日本の準天頂衛星システム初号機『みちびき』のイメージ。全 1 枚

国土交通省鉄道局技術企画課は2月18日、「鉄道における準天頂衛星等活用の検討」を開始すると発表した。

「準天頂衛星」とは、特定の地域に滞在し信号を発信する宇宙衛星のこと。通常、宇宙からGPS信号などを発信する静止衛星は赤道上にあるが、アンテナを赤道の方角へ30~50度程度傾けないと正確に受信できないデメリットがあったことから、日本では、軌道を斜めにすることで自国の真上から受信できる準天頂衛星システムが開発され、2018年11月にはその初号機である『みちびき』が運用を開始した。

とはいえ、準天頂衛星は常に特定の地域に留まることはできず、『みちびき』でも日本上空で待機できる時間は7~9時間程度と言われている。そこで4基以上の複数の衛星を打ち上げることで時間差で入れ替わりに滞在させるが、より受信の精度を上げるには「8の字」「涙型」といった幾何学的な模様で軌道を周回させる必要があるという。

国土交通省では、2016年4月に閣議決定された「宇宙基本計画」に基づき、準天頂衛星システムをさまざまな分野で活用する検討が官民で始まったことから、「これまで用いてきた列車位置を検知するための地上設備の省力化・効率化」「接近する走行列車の位置を踏まえた保守作業の安全性の向上」が期待できるとして、鉄道分野における活用に乗り出し、2月19日にはその最初の会合である「第1回 鉄道における準天頂衛星等システム活用検討会」が開催されることになった。

この検討会では、学識経験者や鉄道事業者、関係団体、研究機関、鉄道局が参加し「鉄道分野における衛星測位の検討状況や課題、活用の可能性」などを検討するとしており、鉄道分野において生産性革命を起こすシステムとして実用化を目指すとしている。

日本の鉄道におけるGPSの活用例としては、JR北海道が開発した鉄道・道路両用車両Dual Mode Vehicle(DMV)や近畿日本鉄道(近鉄)の乗務員支援システム、JR東日本の列車接近警報装置などがある。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アプリリア、新型アドベンチャースクーター『SR GT125/200』発表、フルフェイスも収納可能に…EICMA 2026
  2. 『ランクル』にも『デリカD:5』にも! エムエルジェイ、次世代オフロードホイール『04 CORE』発表
  3. ブレイズ、ホンダ『N-VAN』対応キャンピングカーキット近日公開 EV版にも初対応
  4. ホンダ、カブトと共同開発のフルフェイスヘルメット『KF-2F』発表…EICMA 2026
  5. 「日本カー・オブ・ザ・イヤー 2026-2027」10ベストカーが決定! 最終選考会は12月3日に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「事故死ゼロ」と「移動の自由」の両立へ…トヨタとホンダが「ITS世界会議」で示した次世代技術
  2. 「E2E AI」って何? 自動運転を支える技術…EdgeTech+ 2026【キーワード Vol. 4】
  3. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  4. 「フィジカルAI」って何? 似ている4つの基本用語…EdgeTech+ 2026【キーワード Vol. 1】
  5. 「Sim-to-Real」って何? AIを動かす実装技術…EdgeTech+ 2026【キーワード Vol. 3】
ランキングをもっと見る