新型 日産 デイズ / 三菱 eK を生産する水島工場を見学…地元の期待も背負う

水島工場の生産ラインを流れる日産の新型デイズ ハイウェイスター
水島工場の生産ラインを流れる日産の新型デイズ ハイウェイスター全 9 枚

日産自動車と三菱自動車、そして両社の合弁会社NMKVの3社が、岡山県倉敷市の水島工場にて新型『デイズ』『デイズ ハイウェイスター』『eKワゴン』『eKクロス』のオフライン式を行った3月14日、同工場のメディア向け見学会が行われた。

山陽新幹線の新倉敷駅からクルマで約30分。岡山県倉敷市にある水島工場は、太平洋戦争の最中である1943年、三菱重工の水島航空機製作所として発足。戦中は日本海軍向けに一式陸上攻撃機などを生産した。

戦後の1946年には、小型3輪トラック「みずしま号」を生産開始。その後、トラック、軽自動車、小型乗用車の生産を開始し、近年は電気自動車の『i-MiEV』や『eKワゴン』、2013年からは日産『デイズ』、2017年からは岡崎製作所から移管された『RVR』などを生産している。社員数は2019年3月1日時点で3532名。2017年度の年間生産台数は約24万2000台で、最大生産能力は39万台だ。

同工場の特徴は、プレス工場からエンジン組立・鋳物工場、そして最終組立まで、クルマづくりの全行程を備えた一貫生産工場であること。さらに、軽自動車だけでなく、RVRのような普通車、そしてi-MiEVのような電気自動車を同一ラインで混流生産している点が極めてユニークだ。

今回、見学が許されたのは、溶接・最終組立工場。完全自動化された溶接ラインから、主に人の手で作業される最終組立ラインまでを見ることができた。工場内に入ると、ライン上には混流の名の通り、新型デイズ/eKのほか、両側スライドドアのデイズルークス/eKスペース、RVRが一緒に流れていた。RVRのほとんどは、販売が好調な海外向けだという。

また、水島工場に部品を納入するメーカーの多くは、倉敷市内や、隣の総社市にあるため、主要部品の91%を片道20km以内で調達できるのも特徴の一つだという。部品メーカーも含めた地域全体で、軽自動車生産のノウハウを持っていることが、水島工場の大きな強みだ。

逆に言えば、地域経済や雇用への影響力も大きい。この日のオフライン式には、地元の岡山県知事、倉敷市長、総社市長が駆けつけ、お祝いの言葉を述べると共に、昨年の西日本豪雨災害に触れ、水島工場が復興の原動力となることを期待し、また、水島工場を応援する言葉が続いた。三菱自動車の安藤剛史副社長は、倉敷市真備町などの近隣に大きな被害があった中、今回の新型車立ち上げを日程通り進めることができたことに感謝の意を表した。

国内市場が徐々に縮小していく中、国内専用車である軽自動車の工場として生き残り、地域を力強く支えていく。水島工場と新型軽への地元の期待は、極めて大きいと実感した。

《丹羽圭@DAYS》

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