まさに情熱SUV…アルファ ロメオ「ステルヴィオ ディーゼル」の走りは、時も場所も選ばない

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アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4
アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4全 30 枚

ちょっと大げさに言うならば、SUVの登場はクルマの“定義”を変えてしまった。長らく自動車の“基本形”とされてきたセダンに代わり、今やSUVは自動車のスタンダードと言うべき形態となりつつある。

その理由はSUVの“多様性”による。ゆったり乗れるキャビン、たくさんの荷物を積むことができるラゲッジスペース、道を選ばない走破性、快適な乗り心地、スポーティなスタイリング。マルチタスクな“スマホ”のようなSUVが、多くの人に選ばれるのは当然なのかもしれない。

だが万能に思えるSUVにも泣き所はある。そのひとつは「燃費」だ。セダンより大きく重たいボディは空力的にも不利だし、四輪駆動モデルであれば走行抵抗も増す。

その泣き所を補う有効な方法のひとつが、ディーゼルエンジンの搭載だ。“EVシフト”が盛んに唱えられる自動車業界にあって、じつは「ディーゼルSUV」は密かなトレンドと言えるほど、そのモデル数を増やしている。

そこにラテンの血は感じられるのか?

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4
アルファ ロメオのSUV、『ステルヴィオ』にディーゼルモデルが追加された。「アルファがディーゼル?」と思う向きもあるかもしれないが、じつはアルファ ロメオは1997年発売の『156』で、コモンレール式ディーゼルエンジンを初めて市販車に採用したメーカーなのだ。

ステルヴィオに積まれるのは2.2リットル直噴ターボ。軽量なアルミブロックを使い、カムシャフトを中空にするなどしてエンジン単体の重量をクラス最軽量の155kgに抑えた新開発のディーゼル・ユニットだ。

いっぽうディーゼルとはいえ、そこはアルファ ロメオ。クルマ好きならきっと、「そこにラテンの血は感じられるのか?」ということが気になるだろう。スペックを見る限り、その答えは「Si(Yes)」である。最高出力は210PS/3500rpmと同クラスのライバルよりパワフル。最大トルクも470Nm/1750rpmと強力だ。その走りの俊敏さは想像に難くない。

気になる燃費は、一般走行に近いWLTPモードで1リットルあたり16.0kmと公表されている。もし実燃費でこれに近い数字が出るとすれば、車両重量1820kgのSUVとしては十分以上だ。しかも四駆の「Q4」であることを考えれば尚更である。

ドライバーだけが知っている、ディーゼルの喜び

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「ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4」に乗り、東京から伊豆までの1DAYドライブに出かけた。長い距離を走るほどディーゼルモデルの真価、実力が分かるはずだ。実際の燃費がどれほどなのかも興味深い。

クルマと対面すると真っ先に目に飛び込んできたのは、「盾」をモチーフとしたお馴染みのグリルと、キュッと吊り上がったライトによる精悍な顔つき。真紅のボディカラーが、紛うかたなき“アルファ ロメオ”であることを主張している。

全長4690mm×全幅1905mm×全高1680mmというボディサイズは、同クラスのライバルたるSUVたちとほぼ同寸だ。だがステルヴィオを眼の前にすると、実際のサイズよりコンパクトに感じられる。ギュッと詰まったボディの塊感、抑揚のある面で構成された躍動感のあるデザインがそう感じさせるのだ。

ディーゼルモデルであることを主張しないのもステルヴィオの特徴と言えるだろう。これ見よがしなバッジの類はなく、外観でディーゼルであることを判断できる材料はない。ドライバーだけがそれを知っている…という優越感に浸れるのは、ステルヴィオ・ディーゼルを所有する密かな喜びのひとつなのかもしれない。

湧き出す力強さにディーゼルの恩恵を感じる

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走り始めて最初に感じたのは、予想以上の静粛性の高さだった。室内に収まっている限り、ディーゼルエンジン特有の「カラカラ……」という音は、よほど注意深く耳を傾けなければ聞こえてこない。見た目に主張しないこともあって、おそらく同乗者はこれがディーゼルモデルだということには気づかないだろう。

いっぽうドライバーは、低回転域から湧き出すような力強いトルクからディーゼルエンジンの恩恵を感じる。わずか1250rpmで最大トルクの9割以上にあたる440Nmを発揮する2.2リッターディーゼルはターボラグも少なく、右足に力を込めれば間髪入れず、大きな力でボディをぐいぐいと前に進めてゆく。

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高速道路の流れは順調だ。センターコンソールのセレクトダイヤルでドライブモードを「N(Natural)」から「A」へと切り替える。Aは「Advanced Efficincy」の頭文字で、要は燃費モードということ。

Aモードでは、8スピードのATがスッスッと素早くギアを上げ、常に低いエンジン回転をキープする。変速ショックは少なく快適だ。メーター内の燃費計は、1リットルあたり17~18kmを推移している。都内から東名高速道を経て箱根のふもとに着いた時点で、燃料計はまだひと目盛りしか減っていなかった。

まるでFRのスポーツセダンを走らせているような感覚

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急峻な箱根のワインディングロードを駆け上がり、伊豆半島の背骨のように連なるスカイラインへとクルマを向ける。連続するコーナーを前にセレクターを「D(Dynamic)」に合わせると、ステルヴィオは水を得た魚のごとく生き生きとした走りを見せた。

ハンドルはぐっと重みを増し、エンジン回転が高まる。パドルシフトを駆使して走らせると、エンジンはディーゼル・ユニットとは思えない快音を上げて、ドライバーをスポーツドライビングへといざなう。

ロック・トゥ・ロックが2.2回転というクイックなハンドリングは、わずかに切るだけでノーズを進みたい方向に向けることができる。SUVとはいえ重心の高さは感じさせない。まるでFRのスポーツセダンを走らせている感覚だ。ガソリンエンジン並みの重量を実現した軽量ディーゼルエンジンだからこそ味わえる“操る喜び”と言えるだろう。

ワインディングでも、分厚いトルクを発揮するディーゼルは存外の速さを見せる。だが目を三角にして飛ばそうという気にはさせない。高回転まで回さずとも済むから、自然と余裕のある走りになるのだ。ステルヴィオ・ディーゼルは“大人のアルファ ロメオ”なのである。

スタイリッシュで、走らせて楽しく、燃費もいいなんて

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ワインディングを堪能した後、山を下り、東伊豆の海を眺めながら帰路についた。すでに高速道路は混み始めていたが、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の助けを借りながら、労せず都内に戻ることができた。ACCはストップ&ゴー機能付きだから、日本のノロノロ渋滞でも役に立つ。このほかにもレーンデパーチャーワーニングや歩行者も検知する自動緊急ブレーキなど、先進安全装備が充実しているのも嬉しい。

早春の伊豆を目指した1DAYドライブでは、結局330kmを走った。燃料計の目盛りは3つ減り、燃費計は16km/リットルぴったりを表示していた。一般道、高速、ワインディングとさまざまなシチュエーションでたっぷりとその走りを味わい、とくにエコドライブを心がけた訳でもなかったから、この数字は正直、予想以上だった。

さらに感心したのは「残航続距離」が700km以上あったことだ。つまりワンタンクで1000km以上を走破できるポテンシャルが在るということ。まさか“燃費のよさ”でアルファの魅力を語るときが来るとは思っていなかったが、ともあれ給油を気にせずどこまでも走っていけるのはディーゼルモデルの大きな魅力だ。

SUVでありながらアルファ一流の“アツい走り”を身上とするステルヴィオ。そのラテンの血はディーゼルモデルにもしっかりと注がれている。スタイリッシュで、走らせて楽しく、燃費もいい。いささか出来すぎた話ではあるけれど、1日付き合ってみたこの「ステルヴィオ 2.2 ターボディーゼル Q4」は、実際そんなクルマだった。

ディーゼルの常識を疑え。ALFA ROMEO NEW SPORTS DIESEL 公式サイトはこちら

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河西啓介|編集者/モータージャーナリスト
自動車雑誌『NAVI』編集部を経て、出版社ボイス・パブリケーションを設立。『NAVI CARS』『MOTO NAVI』『BICYCLE NAVI』の編集長を務める。現在はフリーランスとして雑誌・ウェブメディアでの原稿執筆のほか、クリエイティブディレクター、ラジオパーソナリティ、テレビコメンテーターなどとしても活動する。

《河西啓介》

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