【SUPER GT】開幕前日、岡山国際サーキットで各陣営が最終スタンバイ…GT500クラスのNSXは“増量”がどう影響!?

GT500クラスを戦う(左から)#23 日産GT-R、#37 レクサスLC500、#1 ホンダNSX。
GT500クラスを戦う(左から)#23 日産GT-R、#37 レクサスLC500、#1 ホンダNSX。全 8 枚

12日、SUPER GT開幕戦の予選日を翌日に控えた岡山国際サーキットには続々と“参戦人車”が集結、いよいよ開戦のムードが高まってきている。

競技レベルも人気も世界最高峰といっていいハコ車レース、SUPER GT。国内7戦と海外1戦(タイ大会)の計8戦から成るシリーズ戦は、今年も岡山国際サーキットで幕を開ける。予選前日のこの日(金曜)はいわゆる搬入日で、GT500クラス15台、GT300クラス29台、総計44台の参戦マシンと各陣営の人々が、続々と岡山国際サーキットに集まってきた(搬入日にSUPER GTの走行はないが、ドライバーブリーフィング等がある)。

ホンダ、レクサス、日産が覇を競うGT500クラスでは昨季、ホンダが8年ぶりに頂点を極めた。当然ながら彼らは今季、連覇を狙うことになるが、その戦局を左右しそうな“状況”がいきなり発生している。NSX勢は今回の開幕戦の参加条件で「競技最低車重1049kg」と定められた。これは昨季終盤と比べて5kg重い。

FRを基本とするGT500クラスにミッドシップ(MR)で参戦するNSXの車重を巡っては、現行の2017年規定車導入以降、“性能調整”が繰り返されてきた経緯がある。ミッドシップハンデとして他より29kg重い1049kgでスタートしたが、苦戦状況を鑑みた性能調整で17年途中から1034kgに。やがて18年になるとNSXの戦闘力上昇を受けて再考の話が浮上、終盤戦には1044kgへと変化した。そして今回、もともとの数字である1049kgに戻るかたちになっている(レクサスLC500と日産GT-Rは1020kgで一定)。

開幕前のテストでは、ベストタイム順位でもうひとつパッとしない印象のNSX勢だったが、それが1049kg想定での走りだったか否かは不明ながら、いずれにしても連覇に向けては厳しい船出となる可能性をはらむ。ただ、他メーカーの陣営からは「本領を発揮していたとは思えない」との観測もあり、レクサス勢のチーム監督のひとりは「いずれにしてもテストでは誰がどんなこと(メニュー)をやっていたか分からない。明日の予選で、ようやく真の勢力図が分かる」との見解を語っている。やはりすべては実戦のフタを開けてみて、ということになりそうだ。

この日は3社を代表するかたちで、#1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J.バトン/タイヤはブリヂストン=BS)、#37 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)の3台のマシンで集合撮影が行なわれた。全15台とも強力なドライバーが揃うGT500クラスだが、#1 NSXは18年、#37 LC500は17年、#23 GT-Rは14年と15年に、それぞれ当該コンビが当該チームでGT500チャンピオンになっている陣営だ。各メーカーの旗艦と見ることができる面々であり、王座争いの中核を占める可能性が高いかもしれない。

多彩な出自のマシンが競うGT300クラスは、たまに特定のマシンとタイヤの組み合わせが突出することもあるが、群雄割拠の混戦が基本構図。おそらく今季もそうなるだろう。そのなかで、注目の新チーム「マクラーレン カスタマーレーシング ジャパン」が走らせる#720 McLaren 720S(荒聖治&A.パロウ/ヨコハマ=YH)はどんな戦いを見せるのか。また、GT500のホンダ勢で長年“韋駄天”の異名を取っていたファイター、小暮卓史が今季はGT300クラスに参戦、彼が乗り組む#88 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史&元嶋佑弥/YH)にも注目したいところだ。

小暮はウラカンGT3のテストでの感触について「ブレーキングが凄いです」と笑顔で語る。ブレーキングがいいとなれば、これは小暮向きのマシンといえそう。GT500ではチャンピオンになった経験もある小暮、去年の開幕戦岡山ではGT500で優勝しているだけに、GT300“デビューウイン”での“開幕戦連覇”という期待もかけられそうだ。平成の韋駄天は、平成最後のSUPER GT実戦を前に、力強く「頑張ります」と語っている。

注目の2019年SUPER GT開幕戦は明日(13日)が予選日。午前中に公式練習があり、クラス別の2段階(Q1~Q2)ノックアウト予選は14時45分開始予定となっている(今回、GT300クラスのQ1は2組に分割しての実施)。

《遠藤俊幸》

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