独ランクセス日本法人社長「ニューモビリティ向けの新しいソリューションを提案していく」

独ランクセス日本法人の辻英男社長
独ランクセス日本法人の辻英男社長全 7 枚

独化学メーカーのランクセスは4月22日、2018年度の業績と事業活動についての説明会を開催した。日本法人の辻英男社長は「2018年度はグローバルで進めてきた成長戦略が大きく前進した年で、好業績を達成することができた」と振り返った。

ランクセスは2004年に独バイエルから化学品事業と高分子材料事業の一部を分離、設立された会社で、その歴史は1863年に遡る。現在、世界33カ国で事業を展開し、60の拠点を持つ。さまざまな添加剤や特殊化学品、エンジニアリングプラスチックに強みを持つ。

同社の製品は自動車をはじめ、建築、農業、食品、日用品、スポーツ、ファッションなど生活のあらゆるシーンのさまざまな用途向けに使用されている。独自動車メーカーを材料面で支える裏方的な存在でもある。

2018年度の業績は売上高は前年度比10.2%増の71億9700万ユーロ(約9360億円)、EBITDAが同9.8%増の10億1600万ユーロ(約1320億円)、純利益が同約5倍の4億3100万ユーロ(同560億円)だった。

「軽量化構造向けのプラスチックビジネス、主にウレタンが好調に推移して、エンジニアリングマテリアル部門が営業利益を大幅に増加することができた」と辻社長は話し、日本市場でも東京、豊橋、姫路の3拠点を中心に事業を進め、好業績を維持することができたという。

「日本では3つの事業領域に注力し、持続可能な発展に取り組む」と辻社長。その3つとは、電気自動車などのニューモビリティ向けの軽量化ソリューション、持続可能な都市の発展を実現する建築材料ソリューション、そして幅広い領域で利用されている耐火性・安全性の高い難燃剤だ。

なかでも一番大きな割合を占める自動車分野には力を入れていく。「現在、自動車産業は低燃費、二酸化炭素排出量の削減、安全性の向上などさまざまな課題解決に取り組んでいる。ランクセスは新しいモビリティ分野における開発パートナーとして、軽量化や電気自動車向けの新しい製品ソリューションを提案していく」と辻社長は説明する。

化学業界ではここ数年、米デュポンと米ダウ・ケミカルが合併したのをはじめ、バイエルが米モンサントを買収するなど規模を追求する動きが起こっているが、ランクセスはそのような動きとは一線を画し、あくまでも強みを活かした特殊化学品メーカーとしての存在感を示していく。辻社長によれば、化学業界のポルシェやフェラーリみたいな存在を目指しているそうだ。

《山田清志》

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