【SUPER GT 第3戦】GT300決勝…新田守男と阪口晴南、大ベテランと若手のコンビがレクサスRC Fで今季2勝目

優勝した#96 RC F。
優勝した#96 RC F。全 10 枚

26日に鈴鹿サーキットで行なわれたSUPER GT第3戦決勝、GT300クラスでは新田守男と阪口晴南のコンビが駆るレクサスRC F GT3が優勝した。今季2勝目で、大ベテランの新田は通算最多勝記録を22へと更新している。若手の阪口にとっては“実質の意味での初優勝”。

ポール発進から逃げるかたちでレースを進めていた#25 HOPPY 86 MC(松井孝允&佐藤公哉/タイヤはヨコハマ=YH)のリードが急速に失われていったのはレース後半、残り10周に迫ろうかというくらいの局面だった。そしてこれを捉えたのは予選2位だった#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&阪口晴南/ブリヂストン=BS)。後半担当の阪口が首位奪取を果たし、最終的には23秒の差を後続につけて、#96 RC Fは開幕戦以来の今季2勝目を挙げた。

開幕からの3戦で2勝。獲得ドライバーズポイント連動のウエイトハンデ制度があるSUPER GTでは、なかなかできる芸当ではない。開幕戦が雨中の打ち切り終了でハーフポイントだったぶん、ウエイトが伸びていないことを考慮しても、間違いなく快挙である。新田は自身がもつGT300通算最多勝記録を22へと更新、かつての相棒である高木真一(#55 NSX)に2勝差をつけた。

新田は「自分たちは昨日からかなりの高温を予想してタイヤ選びとかをしていましたが、今日になったらそこまでは温度が上がらず、『厳しいだろうな』という話をしていました」と述懐する。しかし、走り出してみると「意外に序盤、トップと付かず離れずのところを維持できましたね」。

GT300クラスの表彰式(中央左が新田、右が阪口)。GT300クラスの表彰式(中央左が新田、右が阪口)。

ピットストップに向けては、「マザーシャシー(MC)勢がタイヤ無交換で来るだろうとも予想していましたから、(それに対抗するために)プッシュしたらいいパフォーマンスになるだろうというタイヤへの交換を伝えました」という。そして「晴南(せな)が思ったように走ってくれました。晴南もブリヂストンのパフォーマンスも良かったです」。大ベテランは冷静に自陣の逆転快勝劇を分析した。

一方の若手、19歳の阪口は「開幕戦では自分は決勝を走っていなかったので、いい疲労感と達成感があるな、と思っています」と、実質的な意味でのGT300初優勝を振り返る。「新田さんが粘り強い走りで2番手をキープしてくれたことが大きかったと思います」。このシーズンオフにはフォーミュラでのキャリア面で苦境にも直面しただけに、「数カ月前の自分の状況からは考えられない成績です」と喜ぶ。

#96 RC Fはクラス2番手のグリッド位置からスタートして優勝。#96 RC Fはクラス2番手のグリッド位置からスタートして優勝。

大ベテランと若手がいい感じのハーモニーを奏で始めた#96 RC F、これで僅差ながらドライバーズポイントリーダーの座に再び立ち、今季タイトル争いの軸になっていきそうな雰囲気だ。

#25 HOPPY 86 MCは最終周に5位まで順位を下げることとなっており、決勝2位は#5 ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号(坂口夏月&平木湧也/YH)、3位には#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)が入っている。

決勝2位、#5 MC86マッハ号。決勝2位、#5 MC86マッハ号。

4位は#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)。5位が#25 HOPPY 86 MCで、6位には#55 ARTA NSX GT3(高木真一&福住仁嶺/BS)。#55 NSXはドライバーズポイントリーダーの座を#96 RC Fに明け渡しはしたが、1.5点差でランク2位。

次戦第4戦はタイのチャン国際サーキットが舞台で、6月29~30日の開催となる。国内でのSUPER GT次開催は第5戦の富士スピードウェイ戦となり、日程は8月3~4日だ。

決勝3位、#61 BRZ。決勝3位、#61 BRZ。

《遠藤俊幸》

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