電動バイク『ベクター』は航続623km、価格は9万ポンド…2020年末から生産へ

モーターは最大出力133hp、最大トルク15.1kgm。0~96km/h加速3秒、最高速200km/h

市街地での航続はおよそ623km。充電は急速チャージャーで45分

HUDヘルメットやハプティクスライドウェアなどの最新技術を導入

アーク・ベクター
アーク・ベクター全 18 枚

英国の電動二輪車メーカー、アークは6月4日、電動バイクの『ベクター』(Arc Vector)を、2020年末から生産すると発表した。英国本国での価格は、9万ポンド(約1235万円)と公表されている。

モーターは最大出力133hp、最大トルク15.1kgm。0~96km/h加速3秒、最高速200km/h

アークは、英国の自動車産業の中心地、コベントリーに本拠を構える新興二輪車メーカーだ。同社のベクターは2018年秋、イタリア・ミラノで開催されたEICMA2018で発表された新世代の電動バイクとなる。

電動パワートレインのモーターは、アークが開発した。軽量でパワフル、コンパクト設計となっており、最大出力は133hp、最大トルクは15.1kgmを発生する。ベクターは、0~96km/h加速3秒、最高速200km/hの性能を備えている。

市街地での航続はおよそ623km。充電は急速チャージャーで45分

バッテリーはサムスン製で、960個のセルを持つ。アークによると、このバッテリーのエネルギー密度は、世界最高レベルという。高性能バッテリーの効果により、1回の充電での航続は、市街地でおよそ623km、高速道路でおよそ370km、複合モードでおよそ435km。急速チャージャーを利用すれば、バッテリーは45分で充電できる。

ベクターは、カフェレーサーをテーマに、シンプルなバイクを目指してデザインされた。アークは、MotoGPマニュファクチャラーのRibaと共同で、カーボンスイングアームを開発している。カーボンファイバーをはじめ、航空機用のアルミなどの素材を使用することにより、ベクターのカーボンファイバー製モノコックは、220kgと軽量に仕上げられた。

ベクターには、ベルトドライブ方式を採用する。これは軽量化とメンテナンス性の向上が目的だ。ベルトドライブ方式は、チェーンドライブ方式よりも静かでスムーズで、ユーザーは油に触れることはないという。アーク・ベクターアーク・ベクター

ベクターは、特注のブレーキとサスペンション、レースにヒントを得たホイールを装着する。ブレーキディスクはブレンボ製、キャリパーはStylemas製とした。オーリンズ製のサスペンションはカスタマイズが可能。BST製のホイールはレーシングバイクのような軽量高剛性を追求する。ABSはコンチネンタルから供給されており、タイヤはピレリ製だ。

ベクターの前輪には、フロントフォークを使用しない「ハブセンターステアリング」構造を採用する。これにより、バイクの低速でのコントロール性を高めているという。高速で安定して素早く方向を変えることができるシャシーも実現しているという。

HUDヘルメットやハプティクスライドウェアなどの最新技術を導入

また、ベクターには最新の技術として、「HUD(ヘッドアップディスプレイ)ヘルメット」が採用されており、「ゼニス」と命名されたヘルメットのバイザーに、速度やナビゲーションなどの情報を投影する。

オプションで、「ハプティクスライドウェア」と呼ばれるライダーズジャケットも設定する。ハプティクスとは、触覚を通じて情報を伝達するテクノロジーで、ライダーズジャケットを振動させて、潜在的な危険をライダーに警告したり、バイクの能力の限界にどれくらい近づいているかを知らせたりすることを可能にしている。

ベクターは2020年末から、英国サウスウェールズの新工場において量産を開始し、最初の18か月で399台を受注生産する予定だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る