ボッシュ、リレーアタック防ぐキーレスエントリーシステム開発車両を日本初公開

ボッシュ・グループ 年次記者会見 2019
ボッシュ・グループ 年次記者会見 2019全 10 枚

ボッシュは6月25日、リレーアタックを防ぐキーレスエントリーシステムを搭載した開発車両を都内で報道陣に公開した。2021年から量産を開始する予定という。

ボッシュ日本法人のクラウス・メーダー社長は「キーレスエントリーシステムは数年前からリレーアタックによる盗難が問題になっている。昨年日本でも同様の手口による盗難被害が複数報告されており、今後もリレーアタックが横行すると不安視されている」と指摘。

その上で「デジタルキーでは利便性と安全性の両方を求めると、どちらかが犠牲になるとお考えかもしれない。ボッシュは『パーフェクトリーキーレス』と名付けた安全なデジタルキー管理ソリューションによって、従来のキーレスエントリーシステムができなかった安全性と利便性の両立を実現しようとしている」と開発の背景を語った。

パーフェクトリーキーレスは、車両とスマートフォンがブルートゥース経由で通信し、ドアのロック/アンロック、エンジン始動の操作を行う。その際、クルマ側は専用アプリであらかじめ登録されたスマートフォンに内蔵されているブルートゥースのチップの電波特性が適合した場合だけ、解錠やエンジン始動を行うようになっている。

これにより他の電子デバイスを使ってリレーアタックを試みる信号をブロックすることができ、車両への不正アクセスを防げる。また解錠やエンジン始動のためのキーが不要で、スマートフォンもポケットの中に入れたままでも、操作が可能。さらにパーフェクトリーキーレスはクラウド上でデジタルキーを管理することができるため、専用のアプリを介して複数のユーザーが同じ車両を使用することも可能という。

メーダー社長は「このソリューションは個人所有の乗用車、カーシェアリング用車両、物流会社などの事業者が所有する車両に使用できる。さらにはトランクをあけるデジタルキーを特定の期間、宅配事業者に与えることができ、トランクを宅配ボックスとして使用できる可能性も秘めている」とも話していた。

このほか、日本の自動車メーカーが2019年後半に発売するモデルにボッシュの48Vハイブリッドシステムが搭載されることも明かされた。メーダー社長は「ボッシュはこれまで毎年4億ユーロを電動化に投資し、2018年末には48Vハイブリッドシステム用のバッテリーの量産を中国で開始した。このシステムはコンパクトカーにも搭載可能で、今年後半に日本の自動車メーカーから販売される予定のモデルに搭載が決まっている」と述べた。

《小松哲也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型スバル『フォレスター』のエキゾーストをアップデート! ブリッツ「ニュルスペック・カスタムエディション」発売
  2. 【BMW R1300RT 試乗】200km/hクルーズの快適さは、もはや飛行機レベル…佐川健太郎
  3. 車中泊のトレンドに変化あり? 乗用車ベースが伸びてくる可能性…キャンピングカーランキング 6月
  4. 著しい高速度で走行中に死亡事故、運転者に実刑を命じる
  5. 「1秒で着脱できる」バイク用インカム『H6』が新発売! 高音質で快適ツーリング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る