WILLERが観光MaaSアプリを発表---移動と観光を検索して予約・決済できる

WILLERSアプリ サービスイメージ
WILLERSアプリ サービスイメージ全 6 枚

高速バスを全国に展開するウィラーは7月19日、東京都内でイベント「MaaS Meeting 2019」を開催し、観光MaaSアプリ「WILLERSアプリ」を8月にリリースすることを発表した。まずは「ひがし北海道」と「京都丹後鉄道沿線地域」のエリアから提供を開始する。

同アプリは、地方へ観光に行った際の旅程のプランニングと交通機関の予約および決済をひとつのアプリで行えるもので、タクシーやレンタサイクルなどの交通手段だけではなく、観光船、レストランバス、カヌーなどのアクティビティなどもリコメンドされ、予約することができる。また、10月から多言語対応も予定しており、地方におけるインバウンド観光の支援も見込んでいる。

ウィラーの村瀬茂高代表取締役は、MaaSに対する同社の考え方について、「いまのウィラーは公共交通を軸にしているが、それだけでは移動できないところ、空白を埋めるサービスが必要になる。それを、都市間高速バス・オンデマンドシェア・サブスクリプション・自動運転の4つの軸で考えていきたい」と説明した。

そしてMaaSアプリについては、「まずは北海道と、(同社が事業運営している)京都丹後鉄道沿線でサービスを始めて、2021年までに日本全国でサービスを提供していきたい。またアセアン地域においても、シンガポール・ベトナム・台湾から始めて行きたい」と抱負を語った。

またMaaSアプリの発表に先立ってMaaSに関連するセッションが開催され、パネル参加者から様々な提言がなされた。

自然の中でのキャンプ体験をプロデュースするVILLAGE INC.の橋村和徳CEOは、MaaS時代の地域の交通について、「これからの交通は、我々も含めた皆で作っていくもの。自分たちで交通を作るということ。お上から提供されてあたりまえだったことが、自分たちで作るとなると、いろいろなアイデアが生まれてくるはず。そういうマインドセットで取り組みたい」と呼びかけた。

太陽光や風力などの自然エネルギーの発電と電力販売を事業とする自然電力の磯野謙 代表取締役は、「電力に携わる立場からMaaSを見ると、Battery as a Service と見ることもできる。ひとりひとりのクルマやスクーターが電気グリッドの要素になるということ。そこから生まれる価値を、業界の境を超えて皆さんと作っていきたい」と語った。

また、月4万円で全国の拠点に住める「ADDress」を展開するアドレスの佐別當隆志社長は、「(シェアリングの時代になると)サービスを受ける立場から供給する立場に変化する。MaaSもそうなっていく。自分のクルマや自転車を提供するようになり、C2CでMaaSに組み込まれていく。運転技術を提供する人もいるだろう。大量生産・大量消費というビジネスモデルから(そのように)変わったということをきちんと理解すべき。そうなった時にMaaSがどうあるべきかを考えなければいけえない」と提言した。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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