カーナビゲーションから始まるクラリオンの「HOME IoT」始動

カーナビゲーションから始まるクラリオンの「HOME IoT」始動
カーナビゲーションから始まるクラリオンの「HOME IoT」始動全 6 枚

これから迎える暑い夏。そんな時に「部屋のエアコンを外部からON/OFFできたらどんなに便利だろう」そう思っている人は多いはず。そんな要望に車載機であるカーナビからコントロールする「HOME IoT」で応えたのがクラリオンだ。

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クラリオンが普及を目指す「HOME IoT」とはどんなものなのか。クラリオンは独自のクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access(スマートアクセス)」で提供する機能のひとつとして、「Intelligent VOICE(インテリジェントボイス)」を市場へ展開してきた。これは音声コマンドを入力することで、目的地検索をはじめ、接続中のスマホでの電話発信、メール送信、音楽再生などを可能とするものだ。

「Nature Remo(ネイチャーリモ)」との連携で
ナビを通じてエアコン操作が可能になる

このインテリジェントボイスにスマートリモコン「Nature Remo(ネイチャーリモ)」を連携させることで、車載機での音声コマンドで自宅のエアコンのON/OFFを可能にしたのだ。ネイチャーリモとは、家電を赤外線(IrDA)を介してインターネットに繋げるアイテムのこと。これをスマホでネット接続したクラリオン製カーナビ「Quad View(クワッドビュー)」シリーズと連携させることで、外出先からカーナビの音声で自宅に設置しているエアコン操作が可能となるのだ。

このサービスは7月16日よりスタートしており、間もなく家に着くタイミングで車内からエアコンのスイッチを入れれば、快適な温度となった部屋に帰ることができる。つまりエアコンに限らず、車載機から家庭内の様々な機器につながることを一例として「HOME IoT」と呼んでいるわけだ。

では、このサービスの実現に際してはどんな経緯があったのだろうか。その疑問に応えてくれたのはクラリオン技術開発本部技術戦略室スマートコックピット事業企画部で主管を務める宮澤浩久氏。クラリオンがクラウド情報ネットワークサービスとして「スマートアクセス」の開発に着手したのが2010年のこと。以来、宮澤氏は2013年の車載への導入を経て現在に至るまで“クラウド一筋”で邁進してきた。それだけにクラウドを活用することへの想いは強かった。

「カーナビのデータはどんどん古くなる一方で、その度に地図更新の費用を支払うのはこれからの時代にあり得ない」そう思ったのがスマートアクセスの開発をスタートさせたきっかけだったという。車載機の性能で展開させるには持てるパワーを効率よく動作させられるようにウェブ標準言語HTML5の活用を大前提とし、2013年以降に発売したインテリジェントボイス対応カーナビ(一部除く)はこれに対応。この実現によってハードウエアへの依存が少なくなり、過去の製品でも容易に機能を拡張できる利点を持つことになった。

Googleとの連携で
幅広く対応出来る音声検索を実現

その一方で、クラウドでの検索を実現するためにGoogleとの協業を実現した。この結果、クラリオンはこのサービス上でGoogleのクラウドにある膨大な最新情報を利用できるようになったのである。さらに検索にあたってはボイスコマンドを活用することとし、これを「Intelligent VOICE(インテリジェントボイス)」としてデビューさせた。今でこそ目的地の施設を音声コマンドで探すのは当たり前だが、「当時の音声コマンドは様々な機能を動かすものとして使われるのが一般的で、目的地の検索のためにこれを使うことはなかった」と宮澤氏は振り返る。

Googleの音声検索で驚くのは、AIによって入力されたコマンドに対して幅広く対応できていることだ。例えばマクドナルドは地域によって“マック”や“マクド”と呼び方を変える。Googleの検索機能ではこのどちらを入力してもマクドナルドを探し出すことができる。宮澤氏は「こうした技術を単独で実現するのは難しい。Googleと組んだからこそ為し得たこと」と話す。

しかし、課題もある。クラウドに接続してサービスを利用するユーザーが少ないのだ。宮澤氏によれば「特に日本は低く、ハンズフリーでも全体の10%程度しか利用していない」という。つまり、クラウドを活用するサービスである以上、ユーザーがネット接続していなければサービスそのものの利用者は増えないことになる。今回、最初のリリースとしてエアコンのON/OFFという単純明快な機能を選んだのも、「使ってみたい」と思わせるサービスを選んだ結果でもあるわけだ。

今後は「HOME IoT」に関してどのような展開を考えているのだろうか。「7月のリリース段階では、2017年以降のクワッドビューナビゲーションにのみ対応した。しかし、それではそれ以前から使っていただいているユーザー様に申し訳ない。8月には最初に発売した2013年モデルで対応を果たし、東京モーターショーが開催される頃にはエアコンの温度設定やその他の機器にも対応できるようにしたい。これらはすべてクラウド側でのアップデートで済むので、ユーザー様が何かをする必要がないというのも大きな利点だ」(宮澤氏)。

カーナビ市場では今後、自動運転やコネクテッドカーで使うために膨大なデータを活用した新サービスがクラウドを介して提供されていく。クラリオンがスマートアクセスで進めてきたクラウドの活用はそうした時代を先読みする先見の明があったからこそ。「HOME IoT」でこれが活用されたのもその一環なのだ。「HOME IoT」の今後の展開に期待したい。

《会田 肇》

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