札幌でトンネル発生土の受入れに不安の声…北海道新幹線札幌延伸の「対策土」問題

北海道新幹線のトンネル抗口。
北海道新幹線のトンネル抗口。全 2 枚

札幌市の秋元克広市長は7月31日に開催した定例会見で、北海道新幹線のトンネル掘削時に発生するトンネル発生土(いわゆる「残土」)の受入れ問題について、厳しい見通しを示した。

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建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)によると、残土には「土壌汚染対策法に規定されている土壌溶出量基準または土壌含有量基準を超える自然由来の重金属等を含む」ものを「対策土」、それ以外を「無対策土」としている。

対策土の場合、受入れ地周辺の土壌や地下水を汚染させる可能性があることから、住民への説明を経て、慎重かつ早急な受入れ先の確保が求められている。

そこで札幌市では、一定程度の面積を有していると目されている厚別(あつべつ)区の山本地区、手稲区の金山地区を候補に定め、7月28・31日に説明会を行なったが、参加した住民からは反対意見や不安視する声が多く、コンセンサスを得られない状況だったという。

これについて秋元市長は「説明そのものが少し専門的で分かりづらいというようなことであるとか、対策の内容について説明が十分ではないと、住民の方々が抱いております懸念や不安を解消するという説明にはならなかった」と述べ、このままの状態で周辺環境などの事前調査に着手することは難しいという認識を示した。

仮に受入れがまとまらない場合、時間的な問題から、札幌市内、市外を問わず、地権者が複数いないまとまった土地を探していかざるを得ないとしている。ちなみに、札幌市では隣接する小樽市からの無対策土を受け入れているという。

北海道新幹線新函館北斗~札幌間約212kmのうち8割はトンネル区間であり、発生する残土の受入れは喫緊の課題となっている。

とくに、新小樽~札幌間では、約26.2kmにおよぶ札樽(さっそん)トンネルのうち、2018年末に着工する方針とされていた札幌市手稲区内の星置(ほしおき)、富丘工区の合計9km程度が、現在も未着工となっている。

残土問題の解決が遅れることがあれば、当初示されていた2030年度末の開業、札幌市が要望する2029年中の開業が危ぶまれることになる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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