「PACE」のボッシュはパーソナライズがキーコンセプト…東京モーターショー2019

ボッシュ プレスカンファレンス(東京モーターショー2019)
ボッシュ プレスカンファレンス(東京モーターショー2019)全 10 枚

東京モーターショー2019のプレスカンファレンスでボッシュ ボードメンバーのシュテファン・ハルトゥング氏およびマルクス・ハイン氏が、同社がかかげる「PACE」について技術的な取り組みを発表した。

【画像全10枚】

CASEという言葉は、もともとダイムラーが掲げた同社の次世代車両の注力技術を示すものだ。ボッシュは同様なキーワードとしてPACE(Personalized、Automated、Connected、Electrified)を掲げている。今回のプレスカンファレンスでも強調されたのは、PACEの「P」、パーソナライズ化だ。

主な発表内容は、日本初公開となる燃料電池システム(EAC)、48Vバッテリー、e-Axle、パーフェクトキーレスシステム、自動バレーパーキングシステム、クラウド連携のバッテリー管理システム、関東圏の高速道路で開始するという「ロードシグネチャー」向けの高精度3Dマッピングデータの作成プロジェクトなど。

EACは大型トラック向けの低温燃料電池と、固定用の高温燃料電池の2つがある。低温燃料電池は、FCVのパワーユニット(コンプレッサー)で、日本、中国、北米市場向けだという。とくに北米の大型トラックの需要が見込まれる。高温燃料電池は、データセンターなどのエネルギー供給に利用される。

48Vバッテリーは、最大15%の燃費向上を実現することができ、フルハイブリッドよりも低コストかつコンパクトで搭載しやすいという点が特徴だ。2020年初頭には、このバッテリーを含む、48V マイルドハイブリッドシステムが国内メーカーから販売されるモデルの1つに搭載される。

eAxleは、インバーター、ギアボックス、電気モーターを一体化したパワーユニット。48Vと400Vと、こちらも2タイプがある。48Vはマイルドハイブリッド向けのコンポーネントだが、ピュアEV用の高圧モデルもラインナップされる。48VのeAxleは、中国での採用が決まっており、2020年には現地市販車に搭載されるという(ハルトゥング氏)。

パーフェクトキーレスシステムは、スマートフォンを利用したタイプ。通信はBluetoothを利用するが、よくあるリレーアタック(信号を中継してカギを開ける)の対策として、スマートフォン固有のチップIDを利用する。詳細の説明はなかったが、端末固有IDかMACアドレスを使った認証キーの交換を行うものと思われる。スマホ本体が盗まれなければ、中間者攻撃、リレーアタックは防げるという。このシステムは、個人のオーナーカーカーシェアや物流会社などにも有効だとする。

クラウド連携のバッテリ管理は、EVの使用状況や充電状況(普通充電や急速充電)をモニタリングし、ログを分析することで、バッテリの消耗具合、寿命を管理するもの。データはクラウドに集約され、ディーラーや輸送業者向けのサービスを考えている。

ロードシグネチャーは、高精細の3Dマップと走行中の画像情報などで位置を特定する技術。これのデータ収集を関東圏の高速道路で始める。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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