ホンダの八郷隆弘代表取締役社長は23日、「東京モーターショー2019」のメディアカンファレンスで「配送や宅配用途で使われる“働くバイク”を中心に、Honda e:TECHNOLOGYで電動化を展開していきます」と、エレクトリック化への意欲を示した。
八郷社長はさらに「初公開した電動スクーター『BENLY e:(ベンリィ イー)』と、三輪電動車『GYRO e:(ジャイロ イー)』は、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack」を採用し、配送拠点で手軽なバッテリー交換を可能としている」とした。
ホンダの電動車シリーズと八郷隆弘代表取締役社長(東京モーターショー2019)
充電ではなく“交換”と言葉にしたのは、ビジネスバイクの場合では、従来のようにバッテリーが減ったら充電するという考えではなく、フルチャージされたバッテリーへ即交換という発想に切り替わっていることがうかがえる。
ホンダはすでに宮古島のレンタルバイク事業「宮古カレン」で電動スクーターの運用をスタートしている。『PCXエレクトリック』を観光客にレンタルし、バッテリーが減ったら交換ステーションで充電はなく、交換するという方法をとり、利用者にとって効率が良いことを把握している。
「宮古カレン」ホンダ PCXエレクトリック
八郷社長は「日常生活でよく目にする“働くバイク”の電動化を進めることで、皆さまに、より静かでクリーンな生活環境を提供するとともに、働く方々の笑顔にも貢献できればと思います」と語った。
ベンリィ イーは来年春の発売を予定。ホンダはこれに合わせ、二輪車のコネクテッドサービスを開始する。メンテナンス通知サービスなど事業主であるユーザーと二輪車、そしてホンダがつながることで、業務で使用する際の安心、安全をさらに向上させていく。
すでに「宮古カレン」では、ソフトバンクの通信モジュールが車体に搭載され、二輪車のコネクテッドサービスの有効性を確かめている。バイクも電動化が少しずつ進み、いよいよクラウド接続されていく。