【スーパーフォーミュラ 最終戦】新人アレックス・パロウが3度目のポールポジションを獲得、王座ゲットに向け好発進

SF最終戦鈴鹿、シーズン3度目のポールを獲得したパロウ。
SF最終戦鈴鹿、シーズン3度目のポールを獲得したパロウ。全 8 枚

26日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)最終戦の公式予選が鈴鹿サーキットで行なわれ、自力王座獲得圏内に位置する新人アレックス・パロウが3度目のポールポジションを獲得した。同じく自力王座の権利を有する2人は、山本尚貴が5位、ニック・キャシディは6位。

前日の金曜フリー走行時はヘビーウエットコンディションだった鈴鹿だが、土曜日は降雨の心配ほぼ皆無の空模様となり、12時25分開始の3段階ノックアウト予選は曇り、ドライコンディションでの戦いとなった。前戦に続きQ1は2組分割実施で、今回の組分けはランキング順がベース。出場者のなかで1番の者がA組、2番の者がB組というかたちで交互に、なおかつ同じチームのドライバーは同組にならないよう調整して振り分けられる。

Q1では各組10人から上位6人がQ2へと進出。トップタイムが速かった方の組の7~10位が予選13位以降の奇数順位となり、もう一方の組の7~10位は予選14位以降の偶数順位に。Q2は12人出走、そしてトップ8がQ3に進んでポールポジションを争う。タイヤはQ1がミディアム限定で、Q2~Q3はソフト使用可。

予選は全体を通じてホンダ勢が優勢を示す推移となった。その流れにもうまく乗るような格好で見事にポールポジションを獲得したのは、今季新人ながらランキング3位で自力王座候補のひとりとなっている#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)。Q3ではこの日唯一の1分35秒台(1分35秒972)をマークし、シーズン3度目のポールを手中にした。

左から予選2位の野尻、ポールポジションのパロウ、3位のアウアー。左から予選2位の野尻、ポールポジションのパロウ、3位のアウアー。

#64 アレックス・パロウのコメント
「最高の気分だ。全7戦のなかで、ルーキーイヤーの僕が3回もポールポジションを獲れたんだからね(ここ4戦で3回)。今日はQ1(A組トップ通過)ではマシンの調子がとても良かったんだけど、Q2(5位で通過)になってまわりが急に速くなったようで少し戸惑った。でもQ3に向けてチームとともにマシンを調整するなどして臨んだら、再びバッチリな状態になったよ。素晴らしい結果で満足している」

#64 パロウ以外の自力王座候補、ランキング1~2位の#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)と#37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)は予選5位と6位。最近のSFは決勝におけるタクティクスエフェクト(戦略の効果)が大きい傾向にあり、パロウも決勝でのマシンコンディションに自信を見せつつも「ポールだからといって確実に勝てるわけじゃない」と語るように予断は許さない。とはいえ、自力王座の可能性をもってのポール奪取、ランキング的には3位ながら、ここで新人#64 パロウが王座に向けて(ある意味での)最短距離に立ったともいえるだろう。

ポール獲得を決め、スタッフと握手する#64 パロウ。ポール獲得を決め、スタッフと握手する#64 パロウ。

予選順位のままグリッドが決まれば、3列目に並んでスタートすることになるのが#1 山本と#37 キャシディ。ランキング1~2位の両名がここからどう巻き返すかも興味深いところだ。彼らはどういう戦略を採ってくるのか。

ランキング4位と5位で、他力前提ながらチャンピオン獲得の可能性を残して鈴鹿に来た#3 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)と#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)は、予選11位と16位。いささか厳しい状況になってきたことは否定できないかもしれない。

出撃に備える#64 パロウ。出撃に備える#64 パロウ。

予選のポール1点が#64 パロウに入った段階でのドライバーズランキング上位5人のポイント(と予選順位)をまとめると以下の通りになる。

29点/#1 山本尚貴(予選5位)
28点/#37 N.キャシディ(予選6位)
26点/#64 A.パロウ(ポールポジション)
21点/#3 山下健太(予選11位)
19点/#18 小林可夢偉(予選16位)

ランキング首位の#1 山本は予選5位。ランキング首位の#1 山本は予選5位。

上位3人は優勝なら自力王座。#37 キャシディは決勝7位、#64 パロウは決勝5位がそれぞれ王座獲得の最低条件。#3 山下と#18 可夢偉は優勝が戴冠必須条件(以上、すべて予選後の手元計算による)。

今回の予選2位は#16 野尻智紀(TEAM MUGEN/ホンダ)、3位は#50 L.アウアー(B-Max Racing with motopark/ホンダ)だった。Q1ではDANDELIONとNAKAJIMAの2チームが前方支配を形成しそうな様相に見えたなか、同じホンダ勢の#16 野尻と#50 アウアーもQ2~Q3で存在感を強め、最終的にトップ3へと食い込んでいる。#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は4位、#65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)は8位。

ランキング2位の#37 キャシディ(左から2人目)は予選6位。ランキング2位の#37 キャシディ(左から2人目)は予選6位。

予選7位は#17 塚越広大(REAL RACING/ホンダ)。トヨタ勢には厳しい予選結果となり、Q3進出は予選6位となった#37 キャシディのみ、彼に次ぐトヨタ2番手は予選10位の#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)だった。

SF最終戦の決勝レースは明日(27日)の14時開始予定。43周、約250km(最大レース時間は90分)の戦いの果てに、2019年のスーパーフォーミュラ王者が決まる。

予選2位の#16 野尻。予選2位の#16 野尻。

《遠藤俊幸》

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