【VW ゴルフ TDI 新型試乗】市場に鍛えられた最終モデルは、やはり「価値あり」…岩貞るみこ

VW ゴルフ TDI
VW ゴルフ TDI全 16 枚
◆熟成が進んだ最終モデルの魅力

2019年の東京モーターショー開催と時をおなじくして、ドイツではフォルクスワーゲンが新型『ゴルフ』を発表した。来年の日本発売が待たれるところだけれど、クルマの場合、出たばかりよりも熟成が進んだ最終モデルも魅力的なのも事実。

そんなタイミングで、日本では10月1日からゴルフのディーゼルエンジン「TDI」が販売開始された。

すらりとしたシャープな雰囲気をまといながら、どことなく人懐こくてほっとさせるゴルフのデザイン。インテリアも同じで居心地のよさに包まれるゴルフならではの安心感である。そこに積まれた、ディーゼル+ターボエンジンはどんなパフォーマンスをしてくれるのか?

◆期待が高すぎた…?


しかしながら実際の走り出し感は、私の期待とはちょっと違った。ディーゼル=トルクが太くて走り出しからぐぐっと力強い。そんな期待で胸をふくらませていたのだけれど、アクセルペダルを踏んだ直後の走り出しが物足りないのだ。

カタログ値を見ると、最大トルクは1750回転から。右足がアクセルペダルに触れた直後のかなり低回転から発揮されているはずなのだけれど、ううむ、これは私の期待値が高すぎるのか。

切り替えられる走行モードには、燃費重視のエコモードがあるのだが、試しにエコモードに入れてみると、さらにゆるやかな加速感になった。これはさらに物足りない、いや、ここまでいくと「エコしています!」と潔さがあるので逆にこれはこれで受け入れやすい。

◆「Sモード」にこそゴルフの本領


ならばと、シフトレバーを手前に倒し、Sモードで走ってみた。すると。これこれ! このスタートダッシュ。アクセルペダルを踏んだ瞬間から、ぐっと加速していく気持ちよさ。ディーゼルのトルク感も十分に感じられて頼もしいったらありゃしない。

こんなことならSモードをデフォルトにして、エンジンスタートと同時に入るようにしたらもっとゴルフのよさ、ディーゼルエンジンの頼もしさを実感できるのに。残念極まりない。

私なら、エンジンスタートと同時にSモードに入れちゃうかな。その軽快な走りを支える熟成されまくりなボディ剛性のよさとサスペンションのしなやかさのマッチングは絶妙なんだもの。市場の声に鍛えられた最終モデルは、やはり価値ありだと思います。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、ノンフィクション作家として子どもたちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【ジープ レネゲード eハイブリッド 新型試乗】レネゲード、ここにいよいよ極まれり…島崎七生人
  2. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  3. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  4. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る