世界最速の電動キックボード、とは言っていない…実際に乗ってみると ウサイン・ボルトが事業化

BOLT Mobility 電動キックボード 日本上陸発表(2019年11月16日 都内)
BOLT Mobility 電動キックボード 日本上陸発表(2019年11月16日 都内)全 12 枚

「わたしにとって BOLT Mobility は、初めて手がけた大規模ビジネス。これまで陸上の世界で最高のパフォーマンスを発揮してきたのと同じく、この事業でもベストを尽くしたい」 競技トラックを駆け抜けた世界最速男が、スローな乗り物を引き連れて来日。その想いを語った。

世界最速の男、ウサイン・ボルト。彼が手がける事業の名は「BOLT Mobility」。そこで開発したプロダクトが、電動キックボード『BOLT CHARIOT』(ボルトチャリオ)『BOLT ONE』(ボルトワン)。まずはこの2つのプロダクトのスペックから。

ボルトチャリオ、ボルトワンともに、サイズ、モーター出力(250W)、最高速度(24.1km/h)は同じ。2種とも最大傾斜15度をクリアする。平面ステップを左右に配し、両足をそろえて乗る。ジオフェンス機能を搭載し、走行可能区画を制御設定できる点も特長のひとつ。

違うのは、ボディ形状、バッテリー、総重量、1充電走行距離など。ボルトワンよりもボルトチャリオのほうがやや大きめで、バッテリー装着時はチャリオが36kg、ワンが27kg。チャリオが48Vバッテリー、ワンが36Vバッテリーで、1充電あたりの走行距離はチャリオが55km、ワンが40km。

また、国内の公道で乗車する場合は、ナンバープレートやミラー、ウインカーなどが要る。ドライバーは原動機付自転車の運転免許証が必要で、ヘルメットを着用して運転する。11月15日、都内で行われた BOLT Mobility 日本ローンチ発表会でウサイン・ボルトは、こんな想いを語っていた。

「今回、この取組に参加しないかと声をかけられたとき、非常にわくわくし、うれしく思った。環境にやさしいモビリティで、都市部の移動を変えながら環境汚染を減らしていく、クリーンなソリューションを提供していくという取り組みにわくわくした」

「この BOLT Mobility で気に入ってるところは、ずばりすべて。黄色というカラーは、人の目に最初に認識される色といわれている。そこでまずボディカラーにイエローを選んだ。デザインも走りもしっかりしていて、安定している。バッテリーも交換可能で、充電ポートもついている。しかも荷物を載せられるパーツやカップホルダーがついていて、日常使いにもいい。女性にも乗りやすいデザインに仕上げている」(ウサイン・ボルト)

そこで実際に乗ってみた。従来のスクータなどと同じように、ハンドル中央にシンプルなデジタル計器盤があり、動かすと数字が0、1、2、3…と表示される。「4になるまで自分の手足で押して、そこから右ハンドルにつくレバーを倒すと、モータが駆動する」という仕組み。いわれたとおりに4になるまで押し続け、4が表示された瞬間にステップ足を載せ、レバーを倒す……。と、クイックにモータが回り始め力強く前進する。

モータが回り始めると動きはクイック。バイクなどと同様に左右のハンドルに前後ブレーキがついていて、走る曲がる止まるはバイクに乗ったことがある人ならば違和感なく操作できる。ただ、「おっと危ない」と感じたのは、ハンドルを急に大きく切ると、重心が高いせいかつんのめってしまう傾向が強い。このあたりは慣れればすぐにクリアできるという感じ。

「まずは BOLT Mobility をグローバルに世界展開させていくことが目標。そしてジャマイカの人のみならず、世界の人たちのためになる活動を続けていきたい」と話すウサイン・ボルトは、次の一手もすでに準備しているという。

「BOLT Mobility として次のプロダクトは「ボルトナノ」という小型電気自動車を、2020年の発売にむけて開発中。すでに技術は固まりつつあってあとはパートナーを探す段階にきている」(ウサイン・ボルト)

「日本が大好きで、とくに日本の人たちがやさしくて親切でつねに手助けしてくれる。英語が話せない国でどこに住むかといわれれば、間違いなく日本だ」とウサイン・ボルトが話す国内で、ボルトチャリオ・ボルトワンはどんな活用シーンが見えてくるか---。

11月15日の国内発表会には、BOLT Mobility社のウサイン・ボルト Co-Founder をはじめ、サラ・ヘインズCEO、下山二郎アジア戦略担当らが登壇。ステージに立ったウサイン・ボルトは最後にこう語った。

「東京2020は、選手としてではなくひとりのファンとして観客としてスタジアムに入る最初の地。会場のエネルギー、観客の興奮、すべてをトラックの外から体感したい」

《レスポンス編集部》

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