災害時に「命を救う水に浮かぶEV」…FOMM マイクロ・ファブ事業部 佐藤俊氏[インタビュー]

災害時に「命を救う水に浮かぶEV」…FOMM マイクロ・ファブ事業部 佐藤俊氏[インタビュー]
災害時に「命を救う水に浮かぶEV」…FOMM マイクロ・ファブ事業部 佐藤俊氏[インタビュー]全 1 枚

「2019東京モーターショー」(2019年10月24日~11月4日)で、人目を引いたのは「命を助ける水に浮かぶEV」を開発・販売しているFOMM社のブースだ。FOMM社は「First One Mile Mobility」というコンセプトが社名になっている。「お客様目線ですべてを発想する」ということらしい。このFOMM社はモーターショー中、連日テレビなどで、その「水に浮かぶEV」開発会社として露出していた。モーターショーの会場で、株式会社FOMM マイクロ・ファブ事業部 渉外・広報・採用担当の佐藤俊氏に開発の契機、市場導入、今後の展開などを聞いた。

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バスタブ構造で考案

---: 会社の名前は変な名前ですね

佐藤氏:そうですか、FOMM(フォム)とは、サプライサイドの言葉として「Last One Mile」という言葉がありますが、私たちは「お客様からみて、最初のワンマイルのところに起点を置く会社」ということです。Putting the WOW ! in technology テクノロジーの ! をつくるということで、(1)小型電気自動車開発、(2)部品開発、(3)サービス開発、(4)Micro-Fab開発の4つのことに挑戦しています。社長の鶴巻日出夫を先頭に懸命に動き回っている若い会社です。

---: 水に浮かぶEVを開発するキッカケは何ですか

佐藤氏:もともと、社長の鶴巻が水害に強いクルマをつくりたいと考えたのが設立きっかけです。水に浮くEVを実現するためにバスタブ構造を応用したわけです。ドアのところからも浸水しにくいように工夫してあります。それに、水に浮かぶだけではなく、ホイールに工夫をこらし、少しずつ水に浮きながら前へ進むことができます。ただ浮くだけでは水上に取り残されてしまいますからね。

---: MaaSといえば、CASEで、自動運転がまず頭にきますが、FOMMの車は“水陸両用”です

佐藤氏:水陸両用は目指していません。そうすると価格が高くなります。あくまでも緊急時用ですよ(笑)。1台220万円くらいです。車両に搭載したIoTや、交換式の小型バッテリーを活用して、日常使いと緊急時の両方で活躍するモビリティ・サービスの準備も進めています。
将来的には自動運転との組み合わせも考えています。

---: どんなところで売るのですか

佐藤氏:すでに水害の多い、タイでは1,600台の受注を頂いています。日本でも、2011年に生じた東日本震災による水害では、自動車の中で亡くなられた方もかなりいます。東南アジアを中心に水害の多い地域では、需要は高いと思いますね。

---: すぐにマネされそうですね

佐藤氏:車両全体としては、そんなに簡単にマネできる技術じゃないんですよ。

---: 会社のある川崎市(武蔵小杉)では、タワーマンションがあろうことか水没しました。今後、FOMMのコンセプトと命を救うMaaS車は注目されていくでしょうね。

佐藤氏:そうなるといいですね

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《天野昭》

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