BMWの新型EV『iX3』、後輪駆動で航続は440km以上 2020年生産開始へ

第5世代のBMW「eDrive」テクノロジー

モーターは最大出力286hp

バッテリーの蓄電容量は74kWh

BMW iX3 のプロトタイプ
BMW iX3 のプロトタイプ全 9 枚

BMWグループは12月18日、2020年に生産が開始される予定の新型EV、BMW『iX3』のEVパワートレインを発表した。

第5世代のBMW「eDrive」テクノロジー

iX3は、BMWブランド初のEVのスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)になる。EVパワートレインには、BMWグループにとって、第5世代のBMW「eDrive」テクノロジーが搭載される。

第5世代のBMW eDriveテクノロジーに使用されるすべてのパワートレインコンポーネントは、BMWグループによって開発された。さらに、電気モーターと高電圧バッテリーは、自社工場で生産される。駆動ユニットと高電圧バッテリーユニットは、出力や蓄電容量を柔軟に変更できるため、さまざまなコンセプトやセグメントの車両に搭載できるという。

BMW iX3の第5世代BMW eDriveテクノロジーは、電気モーター、エレクトロニクス、トランスミッションを一体設計し、ドライブユニットに集約した。その結果、設置スペースと重量を大幅に削減する。モーター出力と駆動システムの重量の比率は、第4世代に比べて、およそ30%向上しているという。BMW iX3 のEVパワートレインBMW iX3 のEVパワートレイン

モーターは最大出力286hp

BMW iX3に搭載される電気モーターは、最大出力286 hp、最大トルク40.8kgmを引き出す。電気モーターは、後輪に動力を伝達し、力強い加速を可能にしているという。また、このモーターには、希土類を使用していない。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、BMWの第5世代eDriveにとって、不可欠な部分となる。一貫した研究開発体制により、エネルギー密度を高めるだけでなく、バッテリーセルのすべての特性、とくに耐久性と安全性を引き上げているという。

同時に、BMWのエンジニアは、バッテリーに含まれるコバルトの割合を、3分の2削減することに成功した。 BMWグループの従来のバッテリーと比較すると、BMW iX3のセルレベルでの重量エネルギー密度は、およそ20%高くなっているという。

BMW iX3では、バッテリーに使うコバルトとリチウムを初めて、BMWグループが直接調達する体制を取る。これらの素材は、BMWグループからバッテリーセルメーカーに引き渡される。

BMW iX3の高電圧バッテリーユニットは、車両フロアの平らな位置に搭載される。このレイアウトのおかげで、BMW 『X3』のプラグインハイブリッド車(PHV)と比較して、室内と荷室のスペースを犠牲にしていないという。BMW iX3 のバッテリーBMW iX3 のバッテリー

バッテリーの蓄電容量は74kWh

バッテリーの蓄電容量は74kWhだ。1回の充電での航続は、WLTPテストサイクルで440 km以上を実現する。駆動コンポーネントの高い効率と高電圧バッテリーユニットの高エネルギー密度のおかげで、BMW iX3は、より大型で重量のあるバッテリーを搭載したEVと同等の航続を可能にしているという。

BMW iX3は、BMWグループの電動化戦略のさらなるマイルストーンとなる。 2020年には、BMW X3は、既存のガソリンエンジンとディーゼルエンジン、およびPHVとEVのすべてで利用可能なBMWブランドの最初のモデルになる。BMW iX3は、BMWグループの中国合弁会社、BMW ブリリアンスオートモーティブが、世界市場向けに生産を行う予定だ。

さらに、BMW『i3』と同様に、BMW iX3に搭載されている高電圧バッテリーは使用後、据え置き型のバッテリーパックとして再生される予定だ。 これにより、BMW iX3は、CO2バランスをさらに改善できる、としている。

《森脇稔》

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