アウディ R8、「GT4」に改良新型…2020年シーズンのレース参戦に向けて発売へ

ABSとトラクションコントロールは8段階に調整可能

市販モデルの外装の変更点を反映

5.2リットルV10は最大出力495hp

アウディ R8 LMS GT4 改良新型
アウディ R8 LMS GT4 改良新型全 17 枚
アウディ(Audi)は、改良新型「R8 LMS GT4」を、2020年シーズンのモータースポーツに参戦する顧客に向けて販売すると発表した。

「GT4」は、「GT3」と「TCR」の中間に位置するカテゴリーだ。GT3と同様に、各社から市販モデルをベースとしたレーシングカーがリリースされており、近年人気が高まっている。

R8 LMS GT4は、市販車の『R8 V10 RWD』をベースに開発されたレーシングカーだ。市販モデルと60%以上の構成部品が共通で、生産も市販車と同じドイツ・ネッカーズルムのベーリンガーホフ工場で行う。この相乗効果により、R8 LMS GT4は価格や維持費を抑えることが可能になったという。2018年以来、R8 LMS GT4は世界のレースにおいて、17のタイトルを獲得している。

◆ABSとトラクションコントロールは8段階に調整可能

改良新型では、2つの新技術が採用された。ABSとトラクションコントロールシステムを、正確に調整できるようにした。ABSとトラクションコントロールシステムは、8段階に設定できる。ドライバーは、レースの天候、サーキットの状態、タイヤのグリップなどに応じて、ABSとトラクションコントロールシステムをセッティングできる。

R8 LMS GT4の2020年モデルには、ABSとトラクションコントロールシステムの調整を行うために、R8の「GT2」レーシングカーと同じステアリングホイールが装備された。ステアリングホイールの中央には、ABSとトラクションコントロールシステムの2つのロータリースイッチが配置されている。

◆市販モデルの外装の変更点を反映

エクステリアは、市販車の改良新型R8と同様の変更が施された。フロントとリアには、新デザインのバンパーを装着する。最新のLED技術が組み込まれたヘッドライトや新デザインのフロントグリルも採用する。シングルフレームグリルは、従来よりもワイドな形状だ。フロントリップスポイラーも新デザイン。サイドスカートも、市販車のR8ファミリーの新しい外観デザインを反映している。

フロントエアインテークも新デザインとし、冷却性能を引き上げた。コックピットの換気システムや専用のリアウィングも装備されている。

リアでは、ボディ幅いっぱいにエアアウトレットが拡大された。新デザインのディフューザーには、楕円形の大型エキゾーストパイプが組み込まれている。

◆5.2リットルV10は最大出力495hp

インテリアには、消火システムやロールケージ、セーフティネットを標準装備した。スポーツシートには、6ポイントハーネスが付く。ステアリングホイールは、高さ調節が可能だ。

人間工学に基づいて設計されたコックピットでは、センターコンソールに運転機能の各種スイッチを配置した。エアコンは標準だ。マルチファンクションディスプレイとデータロガーも装備されている。

ミッドシップに搭載される5.2リットルV型10気筒ガソリン自然吸気エンジンは、SRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)のレギュレーションにより、最大出力495hp、最大トルク56.1kgmを引き出す。トランスミッションは、7速デュアルクラッチの「Sトロニック」を組み合わせた。2WDの後輪駆動となる。

R8 LMS GT4は現在、アメリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、南アフリカで27のレースに参戦することが可能だ。ニュルブルクリンクやドバイの24時間レースは、単独で参戦できるイベントとなる。

《森脇稔》

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