『三ない運動』撤廃の埼玉、バイクで高校生に「責任とリスク」教育

埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習
埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習全 18 枚

1980年代以降、「高校生活にバイクなんて要らない」と全国高等学校PTA連合会にて推進してきた『三ない運動』(免許を取らせない、買わせない、運転させない…)。

【画像全18枚】

全国一律的な活動としては2012年に終了し、その後は教育現場に方針は委ねられているのが現状。方針を示す県があれば、各校の判断でとスタンスは一律ではないが、全国のなかでも強力に『三ない運動』を進めてきた埼玉県も、ついに廃止している。

2019年度から生徒の免許取得を条件付きの「届出制」とし、免許取得の生徒には安全運転講習の受講など、交通安全教育の充実化を図っているのだ。

選挙権が18歳に引き下げられ、高校生たちが自身で考え選択し、行動できるように教育していくことが求められている今。埼玉県も生徒の自主・自律を養っていくという大きな方針がある。

もちろん、安全確保対策に万全を期す。県内では免許取得者に対する交通安全講習が実施され、交通社会の一員となる責任とリスクも自覚させようと取り組んでいる。

埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習
2019年10月20日には秩父自動車学校にて安全運転講習を実施。カリキュラムは充実したもので、実技講習1時間30分(準備運動、日常点検、乗車姿勢、ブレーキング、コーナリング、バランス等)、交通安全講和(座学)45分・救命救急法45分となっている。

免許を保有する男女合わせた118名の生徒が参加し、中には大きく改造された車両も見受けられたが、そんな改造車に乗る受講者も指導員たちのアドバイスを素直に、真剣に聴き入れ、ライディングスキルと安全運転の意識を向上させていく。

埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習埼玉県 高校生の自動二輪車等の交通安全講習
講習を開く意義はとても大きい。学校に隠れて免許を取得し、こうした講習にまず参加しないであろう生徒も参加しているのだ。座学では現在の事故状況等が説明され、事故は決して他人ごとではないことを教わることができ、また心肺蘇生法とAEDの使用方法についても理解できる。

高校生のため、バイクに関する交通安全教育を考えなおした埼玉県。これはたいへん画期的なことで、高く評価できるのではないだろうか。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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