ポルシェは9月9日、ブガッティ・リマックとリマック・グループの保有株式の売却を完了した。売却額は約10億ユーロ(約1800億円)。かつて将来への投資として進めた新興EV企業や周辺事業への出資を整理し、本業へ経営資源を戻す動きだ。
今回の売却は、ポルシェ固有の経営立て直しにとどまらず、自動車メーカーが「拡大」から「選択と集中」へ向かう動きを象徴している可能性がある。
◆ブガッティとリマックへの出資株式をすべて売却
ポルシェとリマック・グループは2021年、ブガッティ・リマックを合弁会社として設立した。ポルシェは同社の45%、リマック・グループの20.6%を保有していた。
ポルシェは2026年4月、これらの全株式をニューヨークを拠点とする投資会社HOFキャピタルが主導する投資家連合へ売却すると発表。規制当局の承認を経て、9月9日に取引を完了した。
ポルシェによると、売却による収入は約10億ユーロ。このうち2億5000万ユーロを年金債務への追加拠出に充てる。売却による資金流入などを受け、ポルシェは2026年通期の自動車部門ネットキャッシュフローマージン予想を、従来の3~5%から5.5~7.5%へ引き上げた。今回の取引が財務面でも大きな意味を持つことが分かる。
ただし、ポルシェがブガッティそのものを所有し、それを売却したという単純な構図ではない。ブガッティ・リマックはリマック・グループが55%、ポルシェが45%を保有する合弁会社だった。
売却発表時、ポルシェのミヒャエル・ライタースCEOは、ブガッティ・リマック設立によって「ブガッティの将来に向けた基盤を築くことに成功した」と説明。そのうえで「今回の株式売却により、ポルシェが中核事業に集中することを示す」と明言している。




