BMW の次世代EV『iNEXT』、5G技術搭載へ…CES 2020

1回の充電での航続は600km以上

5GがiNEXTの自動運転やエンタメ機能を強化

新開発の曲面デジタルコクピット採用

自動運転を想定した多角形ステアリングホイール

BMWグループのブース(CES 2020)
BMWグループのブース(CES 2020)全 10 枚

BMWグループは1月7日、米国ラスベガスで開幕したCES 2020において、2021年に発売予定の次世代EVの『iNEXT』(BMW iNEXT)に、5Gテクノロジーを搭載すると発表した。

1回の充電での航続は600km以上

BMWグループは2018年秋、米国で開催されたロサンゼルスモーターショー2018において、EVコンセプトカーのBMW『ヴィジョンiNEXT』をワールドプレミアした。その市販版がiNEXTとなり、2021年からドイツ・ディンゴルフィン工場で生産を行う予定だ。iNEXTは、クロスオーバーEVとなる。

iNEXTには、BMWグループのEVパワートレイン、「eDrive」の最新バージョンを搭載する。1回の充電での航続は、600kmを超える予定だ。さらに、iNEXTでは、将来のモビリティのための重要な技術を、1台の車に統合する。iNEXTはピュアEVで、最新のコネクティビティを採用し、高度な自動運転も可能にする。BMWグループによると、レベル3の自動運転を実現するという。

5GがiNEXTの自動運転やエンタメ機能を強化

BMWグループはこのiNEXTに、5Gテクノロジーを搭載する。BMW はiNEXT にSIMカードを内蔵させ、5G機能を提供する。次世代の5Gテレマティクスコンポーネントは、サムスン、その傘下のハーマンと共同開発されている。

5Gテクノロジーは、レベル3以上の高度な自動運転に不可欠という。自動運転を含めた車両の非常に複雑な機能は、車両自体でリアルタイムに処理され、データ量の増加に対応する。

5Gテクノロジーは、iNEXTのエンターテインメント機能や快適機能も強化する。iNEXTの車内では、最大4Kの解像度で高品質な映像コンテンツを楽しむことができる。高速データ速度と低遅延の両方を必要とするテレビ会議も可能にする。また、ゼロ遅延ストリーミングのおかげで、クラウドベースのゲームも楽しめるという。BMW iNEXT の開発プロトタイプ車BMW iNEXT の開発プロトタイプ車

新開発の曲面デジタルコクピット採用

iNEXTでは、新開発のデジタルコクピットを採用する。このデジタルコクピットは、大型のカーブディスプレイが特長。表面が湾曲した大型ディスプレイは、情報を表示する部分とコントロール部分に分けられており、高い視認性と直感的なタッチコントロール性を実現しているという。また、ディスプレイのコントロール部分は、助手席側からもはっきり見える設計とした。

カーブディスプレイのデザインは、現代の家電テクノロジーからインスピレーションを得たもの。スリムなマグネシウム製ブラケットで固定されている。 無反射ガラスを使用し、フードなしでも光を遮ることを可能にした。

自動運転を想定した多角形ステアリングホイール

また、BMWグループはこのiNEXTに、新開発のポリゴナル・ステアリングホイールを採用する。多角形の幾何学デザインとなっており、自動運転と手動運転を切り替えられるiNEXTに最適な形状を目指した。

BMWグループによると、通常の円形デザインと比較して、ステアリングホイールの操舵角を、ドライバーが認識することを容易にするという。自動運転から手動運転に切り替わった時、ドライバーは視覚的にも、また手に触れたグリップ部分の形状からも、現在の舵角を瞬時に認識できるようにした。

ステアリングホイールのサイドに組み込まれた光ファイバーは、発光によって高度な自動運転が利用可能であることをドライバーに知らせる。さらに、フラットボトムの形状は乗降性を向上させるとともに、アクティブクルーズコントロールを使用している際には、ドライバーが両脚を曲げることができるよう配慮している。

また、BMWグループはiNEXTに、「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を搭載する。ドライバーは運転中、「ハイ、BMW」と呼びかけることにより、音声アシストが起動し、ドライバーが求めるさまざまな機能や情報に、安全にアクセスできる。

BMWグループは、正式に生産が開始されるまでに、BMW iNEXTのプロトタイプを、最大100台生産する計画だ。プロトタイプを用いて、世界各地で開発テストに取り組む。BMW iNEXTの量産は、2021年に開始される予定。他のエンジン搭載車やプラグインハイブリッド車(PHV)と同じ製造ラインで、ドイツ・ディンゴルフィン工場で組み立てられる。

《森脇稔》

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