「音声」でドライバーに注意喚起、NEXCO中日本が開発…指向性スピーカーを用いて

指向性スピーカーの形状図
指向性スピーカーの形状図全 2 枚
NEXCO中日本は2月5日、交通事故防止に向け、高速道路初となる、屋外型指向性スピーカーからの音声による注意喚起システムを開発したと発表した。

交通量の多い東名高速 横浜町田インターチェンジ(IC)(下り)のオンランプでは、速度超過によりカーブを曲がりきれない事故が多発。これまで、舗装や標識による速度抑制対策や、視線誘導灯による壁面への衝突を防止する対策などを行ってきたが、依然として事故はあとを絶たない。そこで、より効果的な注意喚起の対策として、視覚情報に加え、聴覚情報として、6基の指向性スピーカーをカーブの手前に設置し、「この先、急カーブ」という音声をドライバーに伝える注意喚起システムを開発した。

音声による注意喚起システムは、これまで音の拡散が少ないトンネル内では一定の効果が確認されていたが、トンネル以外で活用するには音の拡散が課題となっていた。今回、早稲田大学の山崎芳男名誉教授と、音の拡散を抑えた指向性スピーカーを共同開発。スピーカー音が2方向から発生する構造とし、音量を減らさずに、音の伝わる方向を調整する「導波板」と呼ばれる板を組み合わせ、トンネル以外の屋外でも活用できるようにした。また、スピーカーの前面に音響を透過する防水・防塵シートを貼り、屋外での耐久性を高めた。

NEXCO中日本では、2019年8月から試行を開始。試行開始前後の速度変化を分析した結果、指向性スピーカー運用前と比較して車両速度が4%(1.7km/h)低下し、事故は発生していない。今後、高速道路の事故多発地点や渋滞頻発箇所および長期間の工事規制区間の手前などでの注意喚起の対策として、屋外型指向性スピーカーの設置を進めていく。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「みんなガソリン車が欲しいんだよ…」フィアットの新コンパクト『グランデパンダ』、6速MT登場に日本のファンも反応
  3. 【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「三菱 デリカ&デリカミニ」から全4問!
  4. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る