ナビタイム、MaaSアプリ「モビリティパス」実証実験の結果を報告

MaaS利用の効果を『モビリティパス』で狙った
MaaS利用の効果を『モビリティパス』で狙った全 13 枚

電車や無料シャトル、シェア自転車をひとつのスマホアプリ上で利用可能となるマルチモーダルなMaaSアプリ『モビリティパス』を使った実証実験が、東京の臨海地区で1月16日~2月14日の約1か月間にわたって実施され、その報告会が3月24日、ナビタイム本社で行われた。

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臨海シャトルに対する好評意見が多数

この実証実験にはナビタイムとJapanTaxiの他、同エリアに路線を持つりんかい線の東京臨海高速鉄道、自転車を有料で貸し出すドコモ・バイクシェア、アプリの開発をサポートするKDDI、観光コンテンツを提供する東京臨海副都心まちづくり協議会が参加した。

実験で使われた『モビリティパス』はAndroidとiOSの携帯端末に無料でインストールできるアプリで、このアプリを利用することで東京臨海地区(台場・有明・豊洲・勝どき)において、様々な交通手段を使った最適ルートを案内されるというものだ。アプリで案内される交通手段は、電車・東京臨海シャトル・シェアサイクル・徒歩が含まれ、なかでも中核となったのが東京臨海シャトルで、日本交通の車両(8人乗りマイクロバス)を JapanTaxi が貸し切って無料運行した。

運行コースは、「勝どき~お台場回遊ルート」と「お台場回遊ルート」の2路線。1路線に2台のマイクロバス(トヨタ『ハイエース』/日産『キャラバン』)を使い、いずれも路線申請は行わず、あくまで貸し切り運行という形態を採っている。利用はすべて予約制とし、乗車10分前までネット上で予約が出来た。乗り場の目印は用意しなかったそうだが、アプリ上でバスの一が確認できるので、利用者からは概ね好評だったという。さらにベビーカーも積んで乗車できるということで、子供連れの若い母親にも好評を博した模様だ。

実証実験の目的の一つとして、『モビリティパス』を活用したエリア内の回遊性向上があった。現在、臨海地区は「ゆりかもめ」や「りんかい線」を活用されることが多いが、周辺の勝ちどき/豊洲からの誘導を築くことで域内周遊を可能にする新たな線を引き出そうというわけだ。そのための施策として、アンケートに答えるとりんかい線1日乗車券がもらえた他、域内施設で使えるクーポンも用意して対応した。

「勝ちどき」を使った臨海地区への検索が大幅増

その結果、実証実験期間中にダウンロードされた『モビリティパス』は1万12120ダウンロードと目標の1万を上回った。インバウンド向けの需要も狙って外国語対応としたところ、全体の15%が外国語で、これも狙い通りの結果。また、りんかい線1日乗車券の交換では、他路線の乗換駅となる大井町、国際展示場、新木場の各駅で全体の74.5%を占め、特にビッグサイトでイベントが開催された日は国際展示場駅での交換が伸びている。

一方、有料利用となったシェアサイクルの利用者数は伸び悩んだ。1~2月という季節柄、自転車の利用が敬遠されたとも考えられるが、それよりもシェアサイクルが有料であったことがその要因ということもできる。この辺りは利用者の正直な気持ちが反映された結果とも言える。また、臨海シャトルを無料としたことで、ドタキャンがルート1で38%、ルート2で23%と想定よりも多く発生した。利用した人からの評価は高いものの、無料としたことでキャンセルに対するハードルが下がってしまったようだ。そこで有料化した場合のアンケートを取ったところ、「100~200円」が大多数を占めたという。

今回の実験の結果として評価されたのは、従来なら臨海地区を訪れるアクセスポイントとならない「勝ちどき」が検索件数で大幅に伸びたこと。これは東京臨海シャトルの活用が功を奏したのは明らかで、施設を含めた検索としても上位に入っているのは注目すべきことだ。これにより、域内におけるルート検索数と目的地検索数は倍増。MaaSの一環として臨海シャトルを組み入れることで、実験の目的としていた目的地分散、つまり豊洲駅への一極集中を回避できることが確かになったと判断できる。NAVITIMEでは機会を見ながらMaaSに対応する社会実証を繰り返していく考えだ。

なお、この実証実験は、東京都「MaaS社会実装モデル構築に向けた実証実験プロジェクト」にもとづくMaaS実証実験の一環として実施されている。

《会田肇》

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